道路で924だか944だかを見掛ける

後ろ姿しか見ていないので、実は968かもしれない。

ポルシェ911は、オリジナルは空冷水平対向6気筒のRR、ストラットにセミトレーリングアームのサスペンションだった。RRは、小さな車体に4人乗りを実現でき、後輪荷重も高く加速しやすいという、ある面では良いレイアウトなんだが、しかし、限界を超えると後輪が滑りだしやすいという困った点もあり、現代の乗用車で採用されることは極めて稀になってる。
ポルシェは、「自前で911を作り続けること」の限界を感じ、914、V8FRグランドツアラーの928、そして直4FRスポーツカーの924〜968という「911でないポルシェ」を試行錯誤してきたが、しかし今ひとつ成功しなかった(928も944シリーズも、スポーツカーとしては十分成功な気もするが)。
そして21世紀。エンジンどころか、車体もVWトゥアレグやQ7なんかと共有する、V8FRのSUV、カイエンは大ヒットし、MSBプラットフォームを持つパナメーラもまあ、売れているらしい。911自体も、エンジンは水冷になり、リアサスはマルチリンクになった。
(同クラスの小型FRスポーツカーとしては)最良という評価もある944が駄目で、スポーツカーですならない、カイエンが許容されたのか、ブランド戦略を考える上でいろいろ興味深い。