無気力は学習される

http://www.kyoto.zaq.ne.jp/dkaqw906/spopsy6.htm

セリグマンという心理学者がこんな実験をしています.2群の犬に電気ショックを与えます(1967年の論文です.今だと動物虐待で訴えられるかもしれません).どちらの犬もハンモックのような装置で固定されています.1群の犬は,頭の横に板があって,頭でその板をうまく押すと電気ショックを止めることができます.もう1群の犬は,何をしても電気ショックは止められず,必ず一定時間の電気ショックを受けなければいけません.

 このような実験を繰り返しますと,電気ショックを止められる犬は,何回かの失敗を経て次第に板を押せば電気ショックが止まることを理解し,電気ショックが来るとすぐに板を押すようになります.板を押せば電気ショックが止まるということを「学習」したのです.

 これに対して,電気ショックを止められない方の犬は,なぜか次第に身動きをしなくなり,電気ショックを逃れようとする行動をしなくなります.この犬は別に学習しなかったわけではありません.むしろこの犬もしっかり「学習」しているのです.すなわち,この犬は何をしても電気ショックは止められないこと,言い換えると「何をしても無駄だ」ということを学習してしまったのです.「無気力は学習される」のです.

学習性無力感の枠組みから抜け出すためには,陳腐な言葉なのですが,
「決してあきらめない」ことが大事なのです.

 当事者としては、「決して諦めないこと」が大事なんだろうけど、
 傍観者的には、「ちいさな成功を体験できる枠組みをつくってあげること」が必要なんじゃないかなとおもった。