ロケット理論

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20060128#p2

三谷幸喜さんが、主宰していた劇団「東京サンシャイン・ボーイズ」を振り返って、【途中で、やっている側としては、『ピークを過ぎてしまった』という時期が来たのだけれど、お客さんやメディアの反応(いわゆる「人気」)は、その「ピークを過ぎた」時期からさらに急激な上昇カーブを描いていって、やめるにやめられず困惑した】と、どこかに書かれていた。

 ロケットで、最大の加速を見るのは発射直後で、だんだん加速は減少していく。しかし、速度はどんどん増す。燃料がなくなると、加速がなくなり、どんどん速度はおちていくが、弾道飛行を続ける。最高点に達したあとは、重力に引かれて以下略。
 アイディア、発想という燃料が枯渇してきても、質という速度は上がっていき、速度が落ちても、人気はまだまだ上がる。ちなみに、中年誌レーダーが感知するのは加速が終了し、弾道飛行に入ってから。


 まあ要するに、衛星軌道に乗っけられる人は少ない、ってことか。


 アイディアや発想を積み重ねたものが品質となり、品質を積み重ねたものが人気になる。で、無常な忘却・飽きという重力が下向きにかかっている。加速度を見る人、速度を見る人、高度を見る人、観察する場所が違うんだ。で、うまく制御して、衛星軌道に乗っかると、飽きをうまくコントロールしながら浮かび続ける。たまに、ロケットで突き抜けちゃうのもいるけれど。