"縦並び社会・格差の現場から:患者になれない"

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/tatenarabi/news/20060104k0000m040001000c.html

 国民健康保険料の長期滞納を理由に、医療費の全額自己負担を求められる資格証明書を市町村から交付され、保険証を使えない「無保険者」が04年度、全国で30万世帯以上に達したことが、毎日新聞の全国調査で分かった。資格証明書は滞納対策とされ、交付数は00年度の3倍に増えたが、滞納世帯数は逆に上昇。どの自治体も同じように国保財政が悪化する中、交付数に大きな格差も出ている。国民皆保険制度の根幹が揺らいでいる。

  1. 国民の、医療に対する要求は増大している
  2. 国民の所得は増大せず、格差は増大している
  3. 加齢につれて、医療費は増大する
  4. 自治体の負担能力は減少している

 全部、既定路線。ただ、格差の増大は想定外だったのかもしれない。

会員制リゾート会社の子会社が94年につくった医療施設「ハイメディック山中湖」の会員。最新のPET(陽電子放射断層撮影装置)によるがん検診が売り物だ。会員権は最高で約700万円。夫妻は約500万円のコースを2口持つ。検診でPETが夫の肺にとらえた影はまだ初期の腫瘍だった。

 会員数は増え続け、4000人を超えた。来秋、国内三つ目の施設が東京大病院内にできる。同社関係者は「機器の購入など何十億円も投じて東大の看板を手に入れた」と明かす。病院側は「会員を一般患者より優遇することはない」というが、施設のパンフレットは「異常が見つかれば東大病院へ迅速に紹介する」と宣伝する。

 さて、アメリカの医療を見習え、と叫んでいた方のコメント希望。あなたがたの好きな、「3時間待ちの3分診療」ではない医療、が、今ここに。会員権を持たない人は、↓こっちだけど、あなたがたには関係ないものね。



http://eiji.txt-nifty.com/diary/2006/01/post_1450.html

「er」という、大ヒットドラマがありますが、アメリカではなぜあんなに救急医療が忙しくしているかと言うと、無保険者が、ぎりぎりになるまで耐えて救急車を呼んで公費医療を頼るから、erは殺人的な忙しさに見舞われているわけですね。

 要は、年金と一緒で、相互扶助がシステムの根幹だけど、日本に求心力が無くなったんで「相互」が壊滅した、と。