日記の断片:萌え絵の「発達」

 画材、特に近世ではCG機材の進歩が関連しているのではないかと思っている。
 紙とインクから、スクリーントーン、カラートーン、セル塗り、640x400、16色(4096色中?)、インデックスカラーからフルカラー、筆圧感知タブレットによる水彩などのタッチを持った塗り。この辺は、絵の人なら知っているとおもうのだけどWebでは相関に言及した文章を発見できず。

追記:

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"就学援助を受ける児童の増加"

http://d.hatena.ne.jp/toumeioj3/20060103#p1

人の一生は、生まれて死ぬまでの長いサイクルの繰り返しともいえるが、ひとり立ちするまでの親元で暮らす20年近い期間が、その後のその人の一生を大きく左右する。貧しさを知らない人には分からないかもしれないが、自分の親が貧しいと言うことは、子どもの成長に重いリスクとなって圧し掛かる。簡単に修復できない社会的な事象であるだけに事態は厳しい。

 子どもの世界では、お互いの親に対するチェックの眼は、大人が知る以上に厳しい。学校ではあらゆる機会を通して公平・平等の理念が語られるのに、玩具に現れる明白な持っている者とそうでない者の差別、背後にある養育環境としての親の教養の差別、しつけの欠如から来る性格の良し悪し、数え上げればきりがない。この国のあまりにも同調的な学校社会において、普通以下であることの身にしみる疎外感。みんなが貧しければ貧しさは連帯感となり、力にすらなる。だが自分だけが貧しいということは、強烈な孤立となり、身と心を蝕む。


朝日新聞より

この学校で6年生を担任する男性教員は、鉛筆の束と消しゴム、白紙の紙を持参して授業を始める。クラスに数人いるノートや鉛筆を持って来ない児童に渡すためだ


 学校の勉強が何の役に立つんだ?と叫んだ人たち、出番ですよ。
 ん?釣りですかそうですか。

"縦並び社会・格差の現場から:患者になれない"

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/tatenarabi/news/20060104k0000m040001000c.html

 国民健康保険料の長期滞納を理由に、医療費の全額自己負担を求められる資格証明書を市町村から交付され、保険証を使えない「無保険者」が04年度、全国で30万世帯以上に達したことが、毎日新聞の全国調査で分かった。資格証明書は滞納対策とされ、交付数は00年度の3倍に増えたが、滞納世帯数は逆に上昇。どの自治体も同じように国保財政が悪化する中、交付数に大きな格差も出ている。国民皆保険制度の根幹が揺らいでいる。

  1. 国民の、医療に対する要求は増大している
  2. 国民の所得は増大せず、格差は増大している
  3. 加齢につれて、医療費は増大する
  4. 自治体の負担能力は減少している

 全部、既定路線。ただ、格差の増大は想定外だったのかもしれない。

会員制リゾート会社の子会社が94年につくった医療施設「ハイメディック山中湖」の会員。最新のPET(陽電子放射断層撮影装置)によるがん検診が売り物だ。会員権は最高で約700万円。夫妻は約500万円のコースを2口持つ。検診でPETが夫の肺にとらえた影はまだ初期の腫瘍だった。

 会員数は増え続け、4000人を超えた。来秋、国内三つ目の施設が東京大病院内にできる。同社関係者は「機器の購入など何十億円も投じて東大の看板を手に入れた」と明かす。病院側は「会員を一般患者より優遇することはない」というが、施設のパンフレットは「異常が見つかれば東大病院へ迅速に紹介する」と宣伝する。

 さて、アメリカの医療を見習え、と叫んでいた方のコメント希望。あなたがたの好きな、「3時間待ちの3分診療」ではない医療、が、今ここに。会員権を持たない人は、↓こっちだけど、あなたがたには関係ないものね。



http://eiji.txt-nifty.com/diary/2006/01/post_1450.html

「er」という、大ヒットドラマがありますが、アメリカではなぜあんなに救急医療が忙しくしているかと言うと、無保険者が、ぎりぎりになるまで耐えて救急車を呼んで公費医療を頼るから、erは殺人的な忙しさに見舞われているわけですね。

 要は、年金と一緒で、相互扶助がシステムの根幹だけど、日本に求心力が無くなったんで「相互」が壊滅した、と。

"エロゲやラノベやミステリの多様性・多産性は、結局メディア自身の首を絞める":オタの共通知識

メディアは多様性を求める余り、共通知識の成立という点を見逃している*8。共通知識が無いため、そこから生まれる娯楽性というものを看過している。故に、多様化、多品種化が進むエロゲ、ミステリ、ラノベというメディアは、結果的に個々の作品の娯楽性を低め、ジャンル全体の頸を絞めているのではないか、という話でした。

 オタの教養、という話が前にでていたと思う。
 "共通知識"に関するコミュニケーションの享受、という側面はよく指摘があるところで、原典を知らずに、ゲームをプレイせずに二次創作を作成する人間のことはよく言及される*1。昔ならKANON、割と最近なら月笛という菌類。
 

*1:ゲームの場合、プレイする/しないという段差が大きめなので特に

"海外では日本は「終わってる国」扱い"

http://night-news.moe-nifty.com/blog/2005/12/the_japanese_wa_e281.html
via
http://d.hatena.ne.jp/tetotan/

世界は今、中国に注目している。TIMEにせよNewsWeeKにせよ、中国についての記事が毎週載っている。日本がかろうじて記事になっているのは、この注目の的の中国との関係が険悪になっているから記事になっているのであって、それがなかったら、もはやJapanなんてワードは出ることすらなくなるのではないか。日本は、90年代にIT時代に適応した経済と社会に変革することができず、10年以上の不況に陥っているというのが TIME/NewsWeeKの日本観である。

 えーと、80年代の終わり、工業立国を目指す日本は、農業保護と引き換えに衛星とかコンピュータの権益を引き渡した。で、本当の最先端はあっち。保護した農業はこのとおり。それでいて、干拓はあのとおり。
 当時から皆いっていたように、日本の農業は大規模化、集約化による高付加価値産物に特化するしかなかったようだ。

初売りの風景

 ホテルのロビーは賑わいを見せている。お正月プランだとかなんとかで、この時期は客室もレストランも満杯だそうだ。ニットの黒いワンピースに、革のバッグを下げた若い女性の姿も見える。薄いニットは細い羊毛で編まれたもので、カシミアか何かだろう。織物、編み物は糸が細いほど高級とされ、軽く、肌触りが滑らかだ。バッグはエルメス。あそこの革は本当に上質。って、自分は手帳しかエルメスの革製品を持っていないけど。それに、スカーフを掛けていた。シルクだろう。やはり、細い繊維のファブリックは上等なのだ。
 デパートも賑わっている。こちらに見えるのは、ナイロンの表地の、ダウンのジャケットを着て、スニーカーを履き、ヴィトンのショルダーポーチをたすきがけににした女性。手には大荷物。コーディネートも何もあったもんじゃないけれど、電車で来るには外は寒いし。電気製品やカメラなど、別に百貨店で買わなくても、という品が陳列されていたが、「地方のお金持ち、たまに百貨店にきて散在する」という人物像を考えてちょっと納得。
 秋葉原も人が多い。なんかDQNカーが多いような気も。みんな、淀とかヤマダで買えばいいのに、と思わないでもない。パーツショップの統廃合も進み、ぶっちゃけ大手だけがこの先生きのこるような気が。商売とは、高いところにある湖と、低いところのユーザーとの間に水道管をつないで、ジャーと流して儲ける、そんな行為。オーバークロックとか、ノーブランドやバルクパーツのように、水位に差があっても、大手企業では手を出せない分野に穴をあけたのがあの辺の商売。今から考えると、暴利を貪ったintelが、AMD対策を練る中で開いた穴がセレ祭り、だったのかも。メーカーで完結し、それ故高価であったPCが、水平分業で安価に製作することが可能になり、自作PCが有利になった。しかし水平分業が進み家電化したため、優位性がなくなった。
 で、地方ではヤマダ電機の初売りに並んだり、ジャスコユニクロを買ったりしているのかな。

"脱オタクできない心の弱さと、脱オタクし辛く感じさせる世間"

http://piro.sakura.ne.jp/latest/blosxom.cgi/mote/2006-01-04_shikii.htm

その、敷居を乗り越えられない心の弱さを責めるべきか。自ら敷居を高く積み上げてしまう心の弱さを責めるべきか。それとも、彼に敷居を高く積み上げさせてしまう世間を責めるべきか。

3番目の視点のように世間に問題の原因を見出す考え方は「マトモな大人」からは忌避されがちであるように思うが、そこで思考停止するのもどうかと思う。

 ちょっと思考実験をやってみる。




 「脱オタ基本セット」
床屋ヘアサロン券
・整髪料(など)、スターターキット
・下着上下靴下
・パンツx2
・ベルト
・シャツx3
・ニットx1
・ジャケット(もしくはパーカーとか)
・靴
・バッグ
・メンテナンスキット
・シチュに応じた着用例など掲載したマニュアル
・問い合わせ券(3回分)
お米券(進呈)
マニュアル通りにサイズを計測し、写真を添付して申し込んでください。
ヘアサロン券には、推奨ヘアスタイルを記述してありますので提携ヘアサロンへ持参してください。


っていうパッケージを売り出しても、買い手はいないと思う。

化粧品ブランドのダヴは、リアルビューティをキャッチフレーズにして、世界的に広告展開を行っている。今ではもう当り前になっているかもしれないが、この広告展開が始まった頃、いわゆる不美人がTV の画面に大写しにされて、「なぜTVの画面の中でまでブサイクを見なきゃならんのだ」と面食らった視聴者は多いのではないだろうか。

だからファッション業界全体も……と、この一事をとりあげて言うのはもちろん乱暴な話だが、頭を軟らかくしてみる材料にはなるのではないだろうかとは思う。

 無印良品では、美男美女といえないような人物をモデルにして商品写真を撮っている。ただ、ノイズレスな服を、ノイズレスな背景で撮影することで個性を演出していることに注意。