初売りの風景

 ホテルのロビーは賑わいを見せている。お正月プランだとかなんとかで、この時期は客室もレストランも満杯だそうだ。ニットの黒いワンピースに、革のバッグを下げた若い女性の姿も見える。薄いニットは細い羊毛で編まれたもので、カシミアか何かだろう。織物、編み物は糸が細いほど高級とされ、軽く、肌触りが滑らかだ。バッグはエルメス。あそこの革は本当に上質。って、自分は手帳しかエルメスの革製品を持っていないけど。それに、スカーフを掛けていた。シルクだろう。やはり、細い繊維のファブリックは上等なのだ。
 デパートも賑わっている。こちらに見えるのは、ナイロンの表地の、ダウンのジャケットを着て、スニーカーを履き、ヴィトンのショルダーポーチをたすきがけににした女性。手には大荷物。コーディネートも何もあったもんじゃないけれど、電車で来るには外は寒いし。電気製品やカメラなど、別に百貨店で買わなくても、という品が陳列されていたが、「地方のお金持ち、たまに百貨店にきて散在する」という人物像を考えてちょっと納得。
 秋葉原も人が多い。なんかDQNカーが多いような気も。みんな、淀とかヤマダで買えばいいのに、と思わないでもない。パーツショップの統廃合も進み、ぶっちゃけ大手だけがこの先生きのこるような気が。商売とは、高いところにある湖と、低いところのユーザーとの間に水道管をつないで、ジャーと流して儲ける、そんな行為。オーバークロックとか、ノーブランドやバルクパーツのように、水位に差があっても、大手企業では手を出せない分野に穴をあけたのがあの辺の商売。今から考えると、暴利を貪ったintelが、AMD対策を練る中で開いた穴がセレ祭り、だったのかも。メーカーで完結し、それ故高価であったPCが、水平分業で安価に製作することが可能になり、自作PCが有利になった。しかし水平分業が進み家電化したため、優位性がなくなった。
 で、地方ではヤマダ電機の初売りに並んだり、ジャスコユニクロを買ったりしているのかな。