キミのダイアン

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日本を代表する小説家である村上 春樹さんは『職業としての小説家』のなかで、書き上げた小説を読んでもらったときにあれこれと指摘されるとそのときはカチンと来るけれども、修正をしたあとで顧みると、指摘されるということは、指摘されるだけの問題があるものだと述べていた。何らかの違和感を覚える箇所というのは、何らかの問題を抱えていることなのである。仕事における企画案や提案に置き換えられる。何らかの反対表明が出てくるということは、問題があるということなのだ。

あ、これ、『偉いひとは謙虚になる』パターンや。ある程度以上偉くなるとボンクラは御付きの者が寄せ付けないし、偉い人がなんかしようとすると従者が相手方に連絡してレッドカーペットが敷かれて責任者が頭を下げてお出迎えする。偉い人はニコニコして頭を下げていても目的が達成できる。謙虚になれる環境が実現されているのだ。村上 春樹さんも、「小説家になろう!」に連載してみ? 「いつから無双しますか」「主人公にはもっとチートが必要です」「鬱展開には事前に告知してください」みたいな指摘が山盛りに到着してあっというまにコメント欄閉鎖になるだろう。「指摘されるということは、指摘されるだけの問題があるものだ」なんて言ってられないと思われる。

反対の意志が表明されたことにムカついて、「代案を出せ! 代案がないのに反対するな!」と激高して、そのまま突き進むのは黄色信号で交差点に侵入するようなものだ。

「えー、今日も野菜炒め~ 食べたくないな~」と言ったら「じゃあ、なんなら食べるんだよ」と言い返されたときに「「代案を出せ! 代案がないのに反対するな!」と激高して、そのまま突き進むのは黄色信号で交差点に侵入するようなものだ。」と言い返せたらヒーローである。