カラシニコフ 1

 新聞連載、文庫化したため読んでみた。
 紙上で、そこそこ読んだことはあるが、やっぱり面白い。
 パーツを少なく、精度を甘く、だけじゃなくて、遊底の重さも作働の秘訣なのね。
 で、短い薬莢も、ジャムを減らす要因ということだった。
 イスラエルは、コピーするとき、薬莢を短く出来ず、薬莢は長いままだったという*1。火薬なんて、コモディティーに思えるが、M-16の故障も、火薬代ケチったことにあったというし、第二次世界大戦時、アメリカやソ連がロケット兵器を多用できたのは、優れた火薬製造能力があった為もあるし、まあ、総合能力というものなんだろう。
 豊和工業の話も面白い*2カラシニコフの近代的な工場では、音も無く行われたライフリングのためのハンマリング工程、豊和工業では盛大な騒音と共に行われていたという。あちらは、1万4千丁の最大生産能力。自衛隊豊和工業に対する発注は、一年で3000丁。AK47の工場出荷価格が120ドル、こちらの価格が35万円。



 失敗国家の規準、も面白い。70カ国以上を見た、喜多悦子氏は、条件を二つあげる*3。「警官・兵士の給料をきちんと払えているか」これを怠る政府は、統治する意思も能力もないという。もう一つ。「教師の給料をきちんと払っているか」これをしない指導者は、国をつくる意思がないということだという。


 …なんで橋本府知事の顔が思い浮かんだんだろ…

*1:P89

*2:P104

*3:P183