出る杭ブロガー、出る杭叩きブロガー

 世の中で、極論が、みんなを幸福にすることは、あまりありません。社会主義国家社会主義原理主義。えーと、「犯罪者は全員死刑」な国とか、「犯罪者を出さないために警察をやめます」な国を考えてみればいいかと思います。そのへん、リアルで喋るときに忘れる人は…あまりいないと思いますが、ネットでは、そういう人間が結構います。ネタかもしれないし、縦読みかもしれませんが。
 例えば、例えばですよ、妊娠中絶は殺人と同様に捉えたり、イジメ参加した人間を、私刑に処しても構わないとしたり、医者を誹謗する患者など、受け入れ拒否する、など。もちろん、例えばです。藁人形。こういう、出る杭ブロガーがいるかどうかはアルファならぬ身。与り知らぬところにございます。


 これらの極論は、その前提に、無責任な性行為、イジメ、「不当な」訴訟、というものがあるのかもしれません。しかし、だからといって、それに対抗するために極論を唱えることは、あまり益があるとは思えません。少なくとも、上手に前提を話しておかないと、ただの過激派としかみなされません。


 そこで出てくるのが、出る杭叩きブロガー。言動の「過激」な部分は、有害である、という記事を書きます。ただ、そのエントリーだけ見ると、単に出ているところを叩くのが趣味であるかのように見えたりします。反中絶、反いじめ、反医療崩壊、を唱える我々を、相対化・見下し・メタ化、そういうレトリックで嘲笑する、嫌な奴。ある種、追い風に乗って高く舞い上がった自意識に冷や水を浴びせられるので、その反動で、ついコメント欄に突入しがちになります。ネガティブなブクマタグを付加する行為にでるかもしれません。はてなユーザーなら。
 反・反中絶な人も、反・反医者叩きの人も、これまでのエントリーを見ると、中庸な穏健派で、反・非モテでもないし、反・医者でもありません。引っかかって服が破れないように、善意で出る杭を叩いている人間が、単に何かを叩きたいだけのテロリストに見えてしまうのは、不幸なことです。