『僕らはどこにも開かない』御影瑛路

 読了。問題作と銘打って、イラストをあえて除外した出版にしたことは、お互いに不幸なことだと思う。一部の読者にとっては。特に。
 セカイ系な導入、ちょいミスな中盤、JoJoな終盤、ギャルゲなエピローグ、そんな感じ。物語の水準は、スタンドバトルのようなので、セカイ系な言説は、方便でしかないらしい。人間は閉じたセカイに在り、他人とは完全に分かりあうことは出来ない、というテーマであれば、他に作品が多数ありそう。指摘できないけど。天使のいない12月、なんかは好き。