DQN話法

日本の法制度上(他国は知らない)、刑事裁判を成立させるには被疑者側の「犯意」の証明が最難関であり、拷問・人質司法などが横行する原因にもなっている。

「嘘罪」「馬鹿罪」

 日本には、「嘘罪」「馬鹿罪」はない。「正直に話したから懲役3年。嘘をついたから、馬鹿だから刑事は無罪だが士道不覚悟切腹よ」なんてこともないので検挙当初は「知らない」「わからない」「気づかない」で通す。「この白い粉どうした?」「知らない。誰かが置いたんじゃね?」

推定無罪

 駐車違反、みんな「えー、車友達に貸していたから俺じゃない。友達?いっぱいいるんで覚えてない」をやりはじめたので法律が変わっちゃった。営業車でも同じことやってたらしい。レンタカー屋がそれで閉口しているらしいが。「行為者が確定しないと犯罪は成立しない。ただしレンタカーの場合は除く」と刑法だか憲法だかを改正しないとな。実話創作でむかつく奴を轢き、そして路上でハンドルの指紋を拭き、警察に連絡「車が盗まれたお。盗まれた車が事故を起こしたらしい。警察は犯人を捕まえて弁償させてくれ」っていうのがあった。

「故意の否定」

 電車内フルボッコ事件で、高校生は「押した」と言った。これは相手側の弁護士に利用される可能性はチョモランマ並みに高い。「相手の暴行に対する過剰防衛だ」と。DQNはぶん殴って傷害罪で検挙されても「逃げようと思って逃避行動にでたら手があたった」と説明する。そうなると、「意図をもって殴った」ことを証明するのは警察側、検察側になる。「犯意を立証するには、被疑者が事前に犯行計画書を作成し直筆の署名をして実印を押して配布し、犯行後『俺は犯意をもって殴ったぞ!』と叫び、そして警察で調書を作成し、裁判の被告席で証明する。どれか一つでも欠ければ範囲の立証には不十分である」って高いハードルを課せば嫌疑不十分で不起訴だ。

追記
https://twitter.com/mknhrk/status/1485896842315395072 で紹介されている。
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 ちょっと前のTwitterだったかな、POST者の前にDQNの車が被さって急ブレーキ。POST者はあおり運転だと激おこぷんぷん丸。DQNは警察に「ブロックタイヤなもんでふらついて急ブレーキ掛けた」って説明し、警察は面倒くさがって放流してた。類似例に『目の前で猫が横切った』というのがある。ドラレコで猫が写らなくても「猫が横切った認知でブレーキを踏んだ。あおり目的ではない」

「手を出させる」

 挑発して、相手の自発的行動が自分に当たれば「相手が手を出した」と、その後の加害を正当化する*1。相手のなんらかの行動を「喧嘩を売ってきた」と解釈し挑発行動につなげ、そして相手のなんらかのアクションを「手を出した」と解釈し報復行動をすべて正当化するのは、DQNに限らずあのへんでよく見る光景。

逆:Geek話法

曰くIT関係の刑事事件における被疑者・被告人は穏和で従順で優秀な人が多いが故に特殊な類型になりやすいという。例えば「ブラジルの蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を起こす可能性が絶対にないと言えるか」といった通常あり得ないような仮定の条件であっても、エンジニアは誠実な回答として「絶対にないとは言えない」と答えてしまう。このことは調書上では「羽ばたきが危険なものかもしれないと認識していた」と書かれてしまうことになり、検察官の敵対的な尋問誘導による罠にハマってしまうことになる。

https://it.srad.jp/story/22/01/05/1534238/

一般道で146km/hのベンツは「現場は直線道路で、制御困難になる危険な運転ではなかった」という弁護で危険運転致死罪の適応をまぬかれたが、このように尋問に慣れないGeekだと、「制限速度を超えた場合、制御困難になる可能性が絶対ないと言えるか」という質問に「絶対ないとは言えない」と答え、「速度が制御困難になる可能性を認識していた」と書かれてしまうことになり、検察官の敵対的な尋問誘導による罠にハマってしまうことになる。

*1:先のブロックタイヤDQNは、車をバンバン叩いたようだがそれは手を出したうちに入らないらしい