なぜ「なぜ筋肉注射なのか?」と質問されるのか?

 1960年代、製薬会社等の拡販政策により多量頻回の筋肉注射が実施され大腿四頭筋萎縮が多発したせいという話が
https://www.pmrj.jp/publications/02/pmdrs_column/pmdrs_column_26-43_02.pdf




http://medical.radionikkei.jp/kansenshotoday_pdf/kansenshotoday-151216.pdf

当時の解熱薬や抗菌薬の筋肉内注射によって、約3,600名の大腿四頭筋拘縮症の患者の報告があり、大きな社会問題となりました。当時の報告書では、筋拘縮症の要因として、まず注射された薬剤のpHの低さが挙げられています。pH4前後の酸性の薬剤や、pH9を超える強アルカリ性の薬剤が記載されています。また、浸透圧が30を超えるような高い浸透圧の薬剤も注射されていたようです。このような組織への障害度の高い薬剤の頻回の注射や2つの薬剤の混合注射などで、強い組織障害をきたし、注射された組織の拘縮が起こったと指摘しています。今回、ワクチンの筋肉内接種を検討する際に、当時の報告書を詳細に読み込みました。この結果、原因と記載されている薬液の中には、ワクチン液は含まれていませんでした。ワクチンのpHはほぼ中性で、浸透圧も生理的なものに近い製剤となっているためと考えられています。海外においては、生ワクチンを除く多くのワクチンは、原則筋肉内接種で行われています。複数のワクチンを同時に接種する場合、または新しい混合ワクチンが接種できるようになった場合、あるいは免疫を増強するとされるアジュバントを含んだワクチンは、筋肉内接種が標準的接種法となっています。その理由は、筋肉内接種が皮下接種に比べ、局所反応が少なく、また、免疫原性は同等か、それ以上であることが知られているからとされています。