無知の知、不在の在

いま、絶賛言及中の某映画。「省略」の技法が用いられていると評される。それ、単に「描かない」のではなく、『それ』以外を克明に描くことで、『それ』を強く意識させるっていう技法なんだと思ってる。この映画を見た人はみな、『それ』は描かれていないよ!と絶賛するが、その発言は、他人にこの映画を見せ、『それ』を伝えたいんだと思う。『それ』を描くことで忌避されることのないように。そして、この作品の構成自体、こういう表現を採択させた空気を表現している気がするが、これは口に出した瞬間、色褪せるのであまり見掛けない意見ではある。