部分(構成)要件と全体要件

 このへんの話を考えているけど、あまりまとまらない。
 たぶん、すっきりした説明があちこちにあるが、それを探せていないだけなんだと思う。


 自動車なんかを考えてみよう。150万円、1.2tあたりの乗用車で。色々な部品があるけど、一箇所だけでも劣った部品があれば、用をたさないだろう。エンジンが50ccとか、ブレーキが自転車用のブレーキだったとか。逆に、一点豪華主義も意味がない。150万円の予算のうち、145万円でカーボンブレーキ買ってきました。あとは5万円でなんとかしようぜ。みたいな。


 ただ、現実はもうちょっと複雑で、「全体要件を達成すれば、部分要件の欠損は問題にならない」という現象がある。乗り心地が悪くても、エアコンが効かなくても、高級車ということはありうる。ヴィンテージカー、クラシックカーなどがそうだ。あと、レーシングカーにナンバープレート付けたような車*1。まあ、車のような趣味性の高い品物だと、欠落が価値を高めることもある、のかもしれないけど。
 それでもって、現実は階層構造をなしていて、下の階層はブラックボックスで構わない。企業のトップはプログラムを書けなくていい(かもしれない)し、プログラマ半導体を設計できなくてもいい(かもしれない)し、半導体の設計者は物理学の権威でなくてもいい(かもしれない)、みたいに。とはいえ、「抽象的で、高レベルな処理能力が『あれば』具象的で、低レベルな知識は要らない」という命題を振り回すと、「具象的で、低レベルな知識さえ無い」人物にヒットしそうな気もする。


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*1:それらを、高級車と呼ぶのに適切か、という議論は面倒なのでやめる