「人間の測りまちがい」

 貧困の悲惨さが、自然の法則ではなく、我々の社会制度によって引き起こされているとしたら、我々の罪は重大である。

 チャールズ・ダーウィン『ビーグル号航海記』

p12 エピグラフ


 とまあ、こんな感じ。
 グールドは、知能テストのようなもので種族間に差をつけ、差別の理由とすることに反対しているが、

 ビネーの創案したIQテストについて述べた私の宇検を考慮して欲しい--力強く、全面的にビネーのIQテストを肯定している(ビネーは遺伝的決定論の解釈に異議を申し立て、特別の介護を必要とする子供たちを確定するための道具としてテストを利用したいと思った。そしてこの人道的な目的の故に、私は手放しで賞賛している)。「人間の測りまちがい」は、知能テストの確定したやり方を特異に解釈すつことによって、しばしば支持されている特殊な知能理論に対する一つの批判である。すなわち、遺伝的であり、変わることのない単一知能という理論に対する異議申し立てである

P51(傍点を、太字とした)


「ある」(知能テストの)「解釈様式」を非難することは、それが不用意に行われるなら、知能テストを計画し、実施すること、すべてを非難することと受け取られる。そういう、誤爆を防ぐために、グールドが予防線を張っている例。