あまりうけなかったのでこっちにかく

16日は午前10時から担当看護師が300ミリグラムを注射する予定だったが、ほかの仕事に追われたため、別の看護師(23)が代わりに予定より約20分遅れで注射することになった。この際、筋肉注射するよう注意書きされた処方箋(せん)を確認せず、点滴用の管を通して静脈に投与したという。患者は約2時間後から心拍数が低下して呼吸が弱まり、午後3時24分に死亡が確認された。

http://www.asahi.com/national/update/0317/OSK200803170091.html

 筋肉に注射された薬は、筋肉からだんだん毛細血管を通じて体全体に拡散していく。逆に、沢山筋肉内に注射すると痛い。ので、高濃度につくってある。ある種の薬剤は、筋肉注射用を静脈に「間違えて」投与すると、濃度が高すぎて重篤な症状をもたらす。



対策として、注意注意日勤教育崩壊崩壊裁判…とかあるけど、実例として以下のものがある。

 今回更に、院内で取り扱っている注射薬剤で、使用上大きなリスクを持っていると考えられるものを<PD(Perilous Drug、取り扱い危険薬)>と称し、分類調剤することに致しました。
<PD>は、他剤を入れたビニール袋とは別に、<PD>と記載した赤字色シールを貼付した袋に入れて払い出します。

http://www.houai.or.jp/houai/torikumi.html

現在薬局では、注射剤の投与法を色分けした札で区別(黄色:点滴、赤色:静注、青色:筋注、ゼブラ:皮下注、緑色:処置用)し、患者氏名と月日・投与時間等を記入し、セットしています。

 リンク先の写真をみれば一目瞭然だろう。赤字シールの薬剤は、注意して使う。


 もちろん、こういうことをやるには莫大な金銭的・人的コストが掛かる(けど、100億光年もかかるとは思えないけど)が、人命が失われるミスも、いろいろ大変そうではある。「筋肉注射するよう注意書きされた処方箋(せん)を確認せず」なんて、現場担当者に責任をおしつけるような記述があるけれど、赤色の袋に入っているクスリであったなら、確認も容易であったのではとか思う。