共有地のジレンマ

松阪市は四月から、松阪市民病院と松阪中央総合病院、済生会松阪総合病院の市内三大病院の休日・夜間の受け入れ患者を、救急車による搬送患者ら重症者に限った。このため、「救急車に乗りさえすれば、三大病院の診察を受けられる」と考える軽症者が続出したとみている。

http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20070725/CK2007072502035438.html

 個人の最適と、社会の最適が(概ね)一致するようなシステムが、本来求められるべきなんじゃないかとは思う。ただ、例えば、足に小さな怪我をして、

  • タクシーで病院へ行き、診察・治療を受ける。病院前のホテルに泊まりながら、3日の外来通院。以後、通院(タクシー)
  • 救急車で病院へ行き、診察・治療を受ける。一週間の入院。

 後者の方が、社会にかかる負担は少ない(と思う)にもかかわらず、おそらく圧倒的に後者のほうが自己負担は少ない。で、どうなるかというと、こうなるわけだ。
 これは、ヴァンパイアと言って(言うのか?)、物事は簡単ではない。自分だけモラルを高く保っても、低いモラルの市民に合わせて制度は作成され、市のモラルが破綻すると、ヴァンパイアは周辺市町村に溢れる。モラルの高い病院は、モラルの低い病院に噛み付かれて、ヴァンパイアの仲間入り。


 デカルト三唱するとなおるよ!


wikipediaの話

 論文の参考文献として使うためには、wikipediaは精度不足だが、フロントエンドには便利だよ!という話を、みんなしているだけのように思う。
 基本的に、サイエンスでは、俺がサイエンスなんて言う資格はなさそうだけど、「事実」以外書いちゃいけないことになっている。「その記述は、あなたが調べたの?それとも、どこに発表されたの?」という問いに答えられなければサイエンスっぽくない。
 ということも、皆しっているっぽい。

Web2.0のこの時代に

最近、がんがみつかった友人はセカンドオピニオンをとることも躊躇(ちゅうちょ)した。病院側では患者の権利として、「当院ではセカンドオピニオンを推奨しています」との方針を明示しているのにである。 

http://www.sankei.co.jp/kyouiku/fukushi/070725/fks070725000.htm

 なんかよくわからないけど、あらゆる困難が科学で以下省略な平成のこの時代、いろいろな検査は電子化されているんじゃないかと思う。それを纏めて、他院で治療方針をまとめて、もっといえば匿名化された検査結果から、電子入札みたいな形で治療プランが提示されるような仕組みも面白いと思う。もちろん、大規模な治療や検査の前には、面談での許諾が必要だし、電子化されたデータの塊を、短時間に大規模に処理できる、複数の医師からなる委員会方式が入札には有利でうんぬん、という話もあろう。
 と考えたけど、住基反対!住基反対!情報安全!と、脳内活動家が電子化反対を唱えるので、ネットワークに繋がないほうがいいよね。としておこう。