"開腹3日死亡、がん誤診判明…診断書に虚偽病名"

http://www.yomiuri.co.jp/national/20150303-OYT1T50057.html

2015年03月03日 13時11分

最終報告書を公表して頭を下げる群馬大病院の野島美久病院長(中央)ら(3日午前、前橋市で)=栗原怜里撮影
最終報告書を公表して頭を下げる群馬大病院の野島美久病院長(中央)ら(3日午前、前橋市で)=栗原怜里撮影

 肝臓手術で患者の死亡が相次いだ群馬大学病院(前橋市)は3日、記者会見を開き、開腹手術後3日目に死亡した患者1人について、死亡後にがんではないと判明したのに、執刀医はその事実を遺族に告げず、虚偽の診断書を作成していたと発表した。

 同病院は「極めて重大な問題」とし詳細を調査している。

 同病院第二外科では、腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術で8人が死亡したほか、開腹手術でも2009年度以降10人の死亡が明らかになっている。死亡した患者は、いずれも同じ40歳代の男性医師が執刀した。

 発表によると、問題となっているのは、10年9月に胆管細胞がんと診断され胆管や肝臓を切除する手術を受けた後、容体が急変して3日目に死亡した患者。患者の死亡から10日後、切除した肝臓の一部を病院で検査したところ、がんではなく良性のできものだったことが確認された。

 しかし、執刀医は、この検査結果を遺族に報告しなかった。そのうえ、同年11月に自ら作成した診断書には「胆管細胞がん」と当初の診断名を記入。すでにがんではないと判明していたため、虚偽の病名を記載したことになる。

 これを受け、病院は昨日から同科教授の診療科長としての業務を停止、執刀医については「医師の適格性に疑問がある」として一切の診療行為を停止した。

 群馬大学病院は「遺族にはすでに説明して謝罪した。手術の妥当性や死亡との因果関係について現在、調査しているが、このような事態を病院として重く受け止めている」としている。その他の開腹手術による死亡例についても、調査を進め、5月頃に結果を公表するという。


例の、山本病院の件は、以下のように言語道断ではあるが、例外的な出来事だと思われる。いや、不正をする医師は例外的っていうのじゃなくて、通常、組織だと自浄作用が働いたり働かなかったりするので、不適格な人は、通常、出世しなかったり、重要なポストにつけなかったりする気がする。だから、山本病院のように、不適格な人が院長になり、少人数で不正をやると歯止めがかからないが、そういう病院っていうのは例外的じゃないかな。
しかし、この群大、発表が正しければ、適格性に疑問がある人間を執刀医に選んだ人物を教授に選考したってことになる。「医者としては優秀なんだけど、不正経理をしてクビ」「医者としては…よくわかんないが、論文不正で研究者としては不適切なんでクビ」みたいなのは散見するが、適格性に言及されるのは珍しいような。

山本病院事件(やまもとびょういんじけん)とは、奈良県大和郡山市の「医療法人雄山会 山本病院」で、次のようなことが行われていたとされる事件。

診療報酬を稼ぐために不要な治療や検査を繰り返し、診療報酬の不正請求を繰り返していた。
患者らを騙し、不要な手術を行うことを承諾させて手術代を騙し取り、さらに不適切な手術と処置により患者を死亡させた。

院長で理事長の医師などが、詐欺や業務上過失致死容疑で逮捕された。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E7%97%85%E9%99%A2%E4%BA%8B%E4%BB%B6

また、同病院で2006年6月に不必要な手術を行い患者(男性、50代)を死亡させていた疑いが浮上した。

同病院で勤務していた医師が捜査当局に対し供述したところによると、肝臓がんでもない患者を肝臓がんということに仕立て上げ、手術を行って死亡させたという。

手術の助手をつとめた医師は「院長から『肝臓がんということにして手術をしようや。もうかるで』と言われた」という[11]。 事前の検査によって腫瘍は良性であることがすでに判明していたにもかかわらず、患者に「肝臓がん」だと嘘を語り、手術を承諾させたというのである。逮捕された元主治医が逮捕前の県警の事情聴取に対して「良性とわかっていたが、理事長の指示に逆らえず、"肝臓がんの疑い"とカルテに記入した」と供述したという[12]。

だが証言は得られているものの、患者の遺体はすでに火葬されていたため裁判上は立証は難しいと捜査当局は判断し、立証可能な、業務上過失致死容疑に切り替えられた。2010年2月6日、上記の件に関して、院長(=理事長)は業務上過失致死容疑で再逮捕された。十分な経験や技術がなかった分野であったにもかかわらず無謀にも手術を行い、さらに適切な止血等の処置をしなかった、との容疑での再逮捕である。