Dramatica

3.8.2.2 ストーリー制作のデジタル化
 ハリウッドでは、ストーリー制作の部分にもコンピュータが応用されている。一般に、アイデアを練る作業では、かなり複雑な処理を人間はしている。米国ScreenPlay社の「Dramatica」と呼ばれるソフトウェアを用いると、コンピュータから出される質問に答えていくうちに、自動的にストーリーが固められていく。
 例えば、「登場人物のとった行動は、結果として成功に終わるのか、失敗に終わるのか」「主人公の考え方は、論理的か直感的か」などの質問に答えていくことになる。こうしてストーリーのラフなデザインをした後に、各シーンの具体例を指定していく。この際、自分が作ったストーリー中のポイントで、これまでの著名な脚本家がどのようなストーリーに展開していったかを見比べることも出来る。その後、キャラクタの性別や、年齢、人種、性格などの特徴づけ(例えば、気難しそうな白人の初老の学者など)を、登録されている数百種類のアイコンの中から選択して行い、他キャラクタとの関連性も合わせて指定することができる。

3.8.2.3 日本映画界とハリウッドの違い
 映画の企画を練る工程が映画の価値を大きく決める重要な段階である。日本の映画産業には、最も創造性が要求されるシナリオの制作段階では、ほとんど費用が出ないという重大な欠点がある。ハリウッドでは、完成されたシナリオを映画会社が買い取ってくれることもあり、数年かけてシナリオを存分に練り上げることができる。一方、日本では、映画を実際に撮影し製作するための資金は出してくれても、シナリオを作るのに要した費用はほとんど支払われない。したがって、日本の映画プロデューサーは、シナリオ制作にわずか数ヶ月しかかけることが出来ない。
 また、日本はいわゆるドンブリ勘定で予算編成するのに対して、ハリウッドでは、3.8.2.1項で述べたようなソフトウェアを用いて、かなり細かいところまで予算を計算していく。これは、ハリウッドでは、「映画は産業(ビジネス)であり、観客のものである。」ととらえている証拠でもある。一方、日本では、「映画は芸術作品。映画は監督のものである。」ととらえられていることが多く、実際に映画を宣伝する材料のひとつに監督名を前面に出すことがしばしばである。--http://www.icot.or.jp/FTS/REPORTS/H12-reports/H1303-AITEC-Report4/AITEC0103R4-html/AITEC0103R4-ch3-8.htm

 つよきすとか、おとぼくとか、銀カレとか、ヤシガニとか、種とか、なんか単語が頭に浮かんできた。大塚英志氏によると、ストーリーラインの構築には凄くコストがかかるそうで、確かに一からつくると凄く人件費がかかりそう。素人の人生から生まれたアイディア*1を、ぽっと収穫して製作したラノベを、ぽっと収穫しようとしたのがああいうアニメなんだろうな。


関連URL
http://www.dramatica.com/
Dramatica Writer's Dream kit 4--http://www.senko-corp.co.jp/html.file/SPS/drama.html
【ストーリー製作】Dramatica【支援ソフト】--http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1041226102/

アメリカの場合まず企画があって、それをメインの脚本家を中心に複数の脚本家でチームを組んで、一つのドラマを作り上げていくそうです。そしてなにより凄かったのは、まずプロトタイプを作ることから始まることです。テレビ局は、スポンサーなどにそのドラマの面白さを伝えるべく、プロモーションビデオのなどの粋を遥かに超えたキチンとしたプロトタイプのストーリーをまず作るそうです。それにかける予算は、億単位のものも当たり前だそうです。

そういう熾烈な競争を勝ち抜いたわずか数割の良質なドラマが、全米に放映され、そして向こうでの人気を受けて、こちらに上陸してくるという感じの流れになっています。--http://d.hatena.ne.jp/CAX/20060630/lost

*1:んー、このへん上手く説明できないけど、例えば、「長門有希の100冊」を、企画として選定したら、人的コストがバカみたくかかるだろうな、と思う。専門家を読んだら専門家代、スタッフで選ぶなら、時間コストに会議コスト。