論客で行こう!(追記:冗談ですこのタイトル)

山奥にでっかい総合病院を作って、医者が来ない、赤字だと騒ぐ理由がよく判らない。ヘリ搬送体制を整える方がよっぽど経済的であろう。中途半端な病院があちこちにある必要はなく、どんどん統合して行けばいい。街の開業医が増えてなにか困ることがあるだろうか。競争原理がプライマリィケアの質を高めるだろうし、専門的な医療といっても、妙に先端的な施設が必要なものばかりではない。--http://med-legend.com/

 現在、ヘリコプター救急にかかるコストの87%は医療保険でまかなわれていますが、それだけでは不足で、その不足部分が増加しています(下図参照)。今のところはADAC加盟会員からの基金でどうにか穴埋めしていますが、患者さんの安全を維持していくことがだんだんむずかしくなってきました。--http://business3.plala.or.jp/hem-net/symposium06.html

ドイツの例。東西合併で医療資源への支出が困難になったそうだ。


 ヘリ搬送体制など、つまり医療資源の適正配分が重要なのだけど、誰がお金を払うのか、というのが問題か。つまり、家の近くに総合病院があれば、それがいくら赤字を生もうとも、支払いは保険の自己負担分で済むし、近くに無いとしたら、交通費は誰か支払うのか?タクシー代に保険は効かない。トータルでみれば、タクシーを使って貰ったほうが病院の維持より安上がりだったとしても、役場がタクシー代くれるわけないしね。
 「安易な救急受診」という言葉が登場しているけど、これには二つ以上の意味があると思う。一つは、病気の程度が分からないこと。その状態が、重症なのかどうか判断できないのではないか。とすれば、軽症者向けの、コールセンターの需要はあるはず(法制論は無視)だけど、じゃあ、だれがそのお金を支払うのかという問題が。「無制限の生の肯定」な人が、お友達と、デカルトを読みながらやってあげると喜ばれるかも。
 「ヘリで運んで治療した方が、治療が遅れて死んだり、後遺症を残して保険金を支払うより安くつく」「医者の受診を3回から2回に減らせれば、4回コールセンターに掛けてもらっても割りが合う」という判断は、個別のセクターだと出来ないし。


追記:

地域医療については http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2006/0520.html を参照。「予防医療」という視点が抜けている。

 という指摘を頂く。
 医療費は、狭く考えれば、病院窓口での支払い金額だけれど、広く考えれば、予防・医療機関へのアクセス・死亡や後遺症への給付、などがある。そのへんでミスマッチがあり、そのミスマッチが予防医療、アクセスの改善といった分野への支出を妨げているのではないか、というのが私の観測で(みんな言っていることだけど)、現状を放置すると、諸外国のようになるんじゃないか、という予想。