臨床精度と検査室精度

検査機器メーカーや検査技師が必要としているのは検査室精度である。


ただまあ、実際に必要とされるのは臨床精度であり、それは対象疾患の臨床像や臨床検査の社会的状況に左右されるので、そこを抜きにした議論をされても困る人は困る気はする。


例えばさ、「スーパーPCR検査」が開発され、検査室精度が感度特異度100%だとしても、

  • 採取者が綿棒をグリグリしたところにウイルスがいなかった

場合は陰性になるし、

  • 誰かがワッショイワッショイして飛んだウイルス1個が鼻の中に入り、グリグリしたらその1個が綿棒に付着。「スーパーPCR検査」に掛けたら仰山増幅された。当然、そのウイルスは患者の体内には入らず発症はしなかった

場合は、陽性でいいの?隔離するん??


正規分布

 どっかの人がPCR正規分布でないので的な発言をしていてなんじゃらほいと思ったが、それ、仮に
腫瘍マーカーS」 がある
腫瘍マーカーS」は、癌患者では20をピークに正規分布をとる
腫瘍マーカーS」は、非がん患者は5をピークに正規分布をとる

カットオフ値を10に取ると、偽陽性はそこそこで偽陰性はちょっと出る
カットオフ値を15に取ると、偽陽性は少ないが、偽陰性は結構出る


みたいな話を想定していて、PCRは定性的な検査であるため偽陽性は出ない、っていう話のようだ。