"理不尽にやると上手くいく"

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むかーしのSFアンソロかなんか。こんな話があった。ネタバレだけどいいよね?


未来の話、犯罪者の裁判が裁判官じゃなくて、抽選で選ばれた市民で行われていた。
(当時はSFだったのだろうw)
テレビで罪状が述べられ、それを見た市民がボタンを押すと、有罪無罪だか、量刑だかが決まる。
詳細を覚えていないが*1、ボタンを押した全市民の中から十数名の票を採用するのだったかな。要は、大多数の市民は自分の票が刑罰に直結しないことになっているので、平気で重罰を課すことができるシステムだった、と。


ここで、ある犯罪者がテロを始めた。スーパーハッキングテクニック(?)で、有罪を選んだ市民を突き止め、殺したのだ。そして、それだけでなく、無関係な市民をランダムで殺害。それを公表。その結果、誰も評決に参加しなくなり、犯罪への刑罰が不可能になった。


そんな話を思い出した。


ちょっと追記

草上仁じゃね?というコメントを頂いた。書籍は処分したので確認は出来ないのが残念。

このお話の面白いところは、確率を上手に利用しているところにある。たぶん。
「市民のうち、立派な12人を利用して陪審員にする」
のであれば、彼等は判決への責任を負い、また、テロが懸念されれば逆に警察の保護を受ける権利を持つ。
それが、テレビ視聴者たる市民の判決は、確率的な力しかもたないため、容易に重罪を課することができ、その結果に対して罪悪感を持たずにすむ*2
テロ組織は、逆に、判決を課した市民を確定的に、また、確率的に市民を殺害することで、犯罪者へ刑罰を与えることに対して、自らの身の危険と、ランダムに選ばれるであろう市民に対して責任感を持つことになった。
当時はピンとこなくて、いまでもちょっとピンと来ないのだけど、そんな話。

*1:この詳細がミソなのだろうが

*2:と、作中では、そういうことにされている