ある会社の苦境


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これは、日本のどこにもない会社のお話です。
その会社は、それなりに経営がうまくいっていました。
世界でもトップクラスです。
それでも、苦情はやってきます。さらに、株主は、さらなる成長を、よりいっそうの経費節減を求めます。
そのため、会社は実力主義を導入しました。


 営業は大喜びです。巨大なプロジェクトの巨額のお金が営業を通過します。
 その金額を提示し、莫大なボーナスを受け取りました。
 広告も大喜びです。広告代理店と大規模な契約を結び、代理店が提示した、これだけの広告効果が出たという綺麗なプレゼンテーションを見た経営陣は、やはり巨額のボーナスを支払いました。
 一方、開発や保守には重苦しい空気が立ち込めています。
 バグが何件、苦情が何件、納期が何日遅れている。そういう数字ばかり上がってきます。ストレスに耐えかねて退社する人が出現すると、さらに処理は遅れます。甘い受注で、無理な仕様を引き受けて、営業は大ボーナス、開発は徹夜。昔は、仲間意識があって、無理な受注はしなかったのですが、今はシート一枚送って、あとよろしく。


 結果、開発や保守から人は離れ、悪循環は続きます。もっと部門が評価されれば、単純に人を増やし、一人当たりの負担を減らし、安定した職場がつくれるのかもしれません。だけど、経営陣は「徹夜が好きな人、一年中仕事が好きな人だけ来ればいい」と、評価を変えません。



 で、どうなるのかというと、経営陣は外注する気満々という話。