非人間的な代数

ツルカメ算(ツルとカメが合わせて10匹. 足の数は合わせて 28 本. ツルとカメは何匹ずつか)などの問題は求める量を代数に置き換えて解くと、驚くほど簡単に解くことができます。このとき「なぜ代数に置き換えると問題の解決が容易になるのか」に興味があります。

『数学入門』(岩波新書、遠山啓著) の P.89 によると、ニュートンが「算術では与えられた量から求める量へと進んでいって問題が解けるのにくらべて、代数は逆の方向に進む。つまり、あたかもそれがよく知られているかのように、求める量から出発して、既に分かっている量へ、それが求める量であるかのように進んでいく。そして、結論もしくは方程式を立てて、それから道の量を探し出すのである。」と言ったと書かれています。

この、「算術の方向」を転換するのが代数を使うことの本質なのではないかと思っているのですが、こういった類の概念の説明をしていただけると助かります。これが理解できれば、問題解決においてどのような場合に代数を持ち出せばよいか、が明確になるのではないかと思っています。なお、自分は数学は聞きかじりの素人です。

http://q.hatena.ne.jp/1201503091

 鶴の足と、亀の足は違います。
 日常の感覚では、目の前に10匹いる亀も鶴も増えません。


 ところが、数字になると、固有性が失われます。
 X+Y=10
 2X+4Y=28


 目の前に、鶴と亀が何匹ずついれば、増えたり減ったりしません。ところが、数字にして代数にすると、2X+2Y=20、という操作が心理的な負荷なくできてしまうのです。2Y=8で亀4、鶴6、かな。


 同様に、線形代数だっけかな。戦車(兵力)を前線でやっつけるのは大変だ。輸送中に攻撃したほうが効率がいい。だけど、全兵力を阻止攻撃に投入すると、前線が破られてしまう。どういう配分が最高か。で、ORが始まったといいます。今では常識的な戦術も、当時は革新的だったと思います。前線の兵を減らせば、前線で戦う兵の損害は増えます。しかし、一旦数字にしてしまえば、関係ありません。そうやって、潜水艦で輸送艦を沈めていったわけです。


 そんなわけで、固有性の強い問題は、回答者の思考を狭めますが、代数化で固有性を解消することができます。社員を増やした場合、減らした場合の利益の増減なども、社員の顔を見るより、数式化したほうが「ある種の回答」へたどり着くことは容易かと。