共産国家の医療

現在世界中に住むポーランド人2000万人のうち、欧州には200万人在住と言われるが、このうち医者や看護師、教師など特定のスキルを持った人たちを中心に推定で80万人が2004年のEU加盟後に流出した。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20071031/139240/

筆者は試しにロンドンのホテルの受付嬢たちに、ポーランドにいた時の仕事を聞いてみたが、やはり教員や医師と答えた人たちが多数いた。医者が日雇い労働者になることさえあるという。

ポーランドでは、医者や教師などの政治的発言力が弱く、給与レベルが先進国と比べて10分の1程度と低く、その状況が長い間改善されていない。


 ちなみに、ポーランドで発言権が強いのは、伝統的に炭鉱関係などの労働組合である。この結果、医療レベルは低く、また教育レベルも問題ありと言われている。高齢化社会への準備と次世代への投資が、不十分なわけである。

ソ連では医者の給与が低い」「イタリアでは医師がタクシー運転手」という挿話を梃に、日本の医師の報酬が高いという意見を稀に見るが、まあ、実態はこんな話だろう。