お返事が必要なのだろうか。

http://d.hatena.ne.jp/trivial/20061016/1160948900

 元エントリーの執筆者が、社会に要求する信頼の水準が、果たして実行可能なものなのかどうか、実践で示してもらいたい、というのが一つ。実現不可能な要求を提示し、それができないので相手を信頼に値しない、と判断するのは、修辞学的、論理学的に正しくても、読んでいて面白くない。それだけ。
 小児の移植医療は、ドナーの自由意志に「よらない」臓器提供を前提とし、国内での禁止、海外での容認が、例の「詐欺」と名づけられた騒動を呼んでいるのはみな知っての通り。id:trivial氏としては、「「本人の同意無しに脳死と判定したら臓器を取り出せるというとてつもない恐怖に包まれた社会」への懸念」に対しては、その「懸念」のレイヤーで反論することが正当である、と考えているのかな。きっとそうだろう。私を除いた、60億人もそう考えるかもしれない。でも、私の興味はそこにはない。
 現在の医療モデルに不具合があるとされ、自由民主党が新しいモデルを提唱している。自由民主党が信用できないとか、安倍首相が歴史認識だとか、そういう話には興味がなくて、「臓器移植法」の改変に反対するなら、どういうモデルを作るのか、そしてそれは実現可能なのか。それだけ。別に、元エントリー執筆者の返答を要求しているわけじゃなくて、なんらかのビジョン、モデル、もしくは実践がみられれば、非常におもしろいと思う。