1968のグリーンベレーは無邪気な映画*1だったが、
1978のディアハンター、1979の地獄の黙示録はベトナム戦争の影響で随分屈折している。
1986のプラトーンは素直な反戦映画であった。1987のフルメタル・ジャケットのハートマン軍曹は厳しいが公平で、人種差別など存在しない、ポリコレの元祖のような教官であった。
そこへ登場、
1986のトップガン。無邪気な映画である。
1989のベルリンの壁崩壊前夜であり、悪くて赤い東側、それを守る自由のアメリカ、という図式が成立していた頃だ。
1991の湾岸戦争も勝ちまくり。
さて、
2022のトップガンマーヴェリック(TGM)。戦争モノではあるが、敵方の描写は最小限。スターウォーズでは、名もない帝国軍の将兵が今日もやられやくとなるために艦橋で指揮をとっていたが、TGMではそのような描写は皆無。007では最後に溶鉱炉に突き落とすための悪の組織のボスが必須だがTGMにはそういうのもない。トム・クルーズが主役級で出演した大いなる陰謀*2では軍事作戦にまつわる思惑を扱っていたがそのようなものはTGMではなし。
このへんの無邪気さっていうのが大事なんだろうな。