米「QDR(4年ごとの国防計画見直し報告)2010」訳

以下は訳者のコメント。本文は日本語だけど長いので読んでいない。

西太平洋地域における中国の接近阻止の戦略は、具体的には米軍の前方展開(駐留)と戦力投入に対抗してこれを阻止しようとする戦略として捉えているが、根本的には、地球規模の公共財(グローバルコモン)への自由な接近を含む米国の国益のための行動の自由に対する脅威とみなしている。軍のバランスの再調整において「性能を向上した接近阻止能力を配備しつつある相手」に対し「接近阻止の環境における攻撃を阻止し打破」する戦力を強化する、としている。

http://www.asagumo-news.com/news/201003/100318/10031806.htm

これを見る限り、「米軍は(すべて)グアムまで引き揚げ、西太平洋の覇権は中国に引き渡すのが既定路線。したがって、在沖、在日米軍も引き揚げるのが既定路線」には読めないのだが。

用意周到であるために、国防総省は将来の可能性のある相手が相当程度の接近阻止能力――米軍の戦力投入を遅らせ、または拒否する能力――を所有し配置しそうであることに対して全ての領域において備えることを求められている。
(略)
  最後に、国際環境の変化は、現代的な国家の制度に圧力を及ぼし続け、慢性的に脆弱な国に関わる問題の発生頻度と重大さを増大するであろう。これらの国はしばしば急進主義と過激主義の成長の温床になった。これからの数世紀を通じて、紛争は少なくとも、国家の強さから引き起こされると同様に、国家の弱さからも引き起こされる可能性が大きい。

http://www.asagumo-news.com/news/201003/100325/10032508.htm

広範な不測事態において相手を打破し成功する態勢を整える 抑止が失敗し、相手が威嚇または軍の使用によりわれわれの国益に挑戦する場合は、合衆国は米国の国益を支えて対応できる態勢になければならない。将来起こり得る挑戦の範囲は広範である。そのような挑戦に対処する国防総省の要求は以下の項目を含んでいる。
(略)
・先端的な接近阻止能力及び/または核兵器を装備する相手国による攻撃を打破

http://www.asagumo-news.com/news/201004/100401/10040114.htm

全体としてこれらの評価は次の6項目の緊要な任務分野の能力に影響する決定をもたらした。
  ・合衆国を防衛し本土の民間当局を支援・対内乱、安定化、及び対テロ作戦に成功・協力国の安全保障能力を育成・接近阻止の環境における攻撃を抑止し打破・大量破壊兵器の拡散防止と対処・サイバースペースにおける効果的な作戦

http://www.asagumo-news.com/news/201004/100408/10040810.htm

司令部や中核兵力はグアムへ移転し、即応兵力のヘリ部隊は沖縄配備を維持、という話じゃなかったっけ?
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/shomei_43.html