カラシニコフ 2

読了。
 1では、失敗国家について論じていて、腐敗した政権を、数集めのために支援した米ソ両国について。


 2では、コロンビアや、その周辺国家について。中国製カラシニコフ(のコピー)が、米国経由でコカインと引き換えにコロンビアに持ち込まれ、内戦の武器となる。米国では、治安悪化のためにブレイディー法による、半自動小銃の販売規制が行われていたが、NRAの反対のために時限法の継続はなされなかった。2004年、ケリー候補の活躍により落選を恐れたブッシュ氏が、NRAの支持を求めたためと思われる(P83あたり)。米国人の安全を守るため、対テロと(自称した)戦いを始め、その結果人気を落とし、挽回のために米国にコカインと(半)自動小銃をばらまいたとするならば、皮肉なものだなぁ。中国製カラシニコフ(のコピー)、ノリンコも、中国軍閥であり、政府から距離を置いているらしい。


中東が、英国の国境引きで、民族が分断されており、それが紛争の原因となっていることはいうまでもないか。ただ、一国が連邦制になると、隣国の民族も分離独立を目指すようになる。イラククルド人とトルコのクルド人アフガニスタンパシュトゥーン人と、パキスタンのそれ。グルジアでも似た現象がおきているか。ソ連アフガニスタン侵攻がタリバン政権を生み、タリバン政権が911の遠因となり、アフガン、イラク侵攻の原因となり、中東で手一杯のアメリカは東欧へのプレゼンスを示せず、グルジア紛争を招くことになり、まあ、因果は続くよ。


P292、船戸与一氏の解説もおもしろい。

カラシニコフの購入代金に充てられるのはダイヤモンドや麻薬だ。

ダイヤモンドビジネスに投資しているのがジョージ・ブッシュの支持基盤だったキリスト教原理主義メガチャーチだということもわかって来ている。