イヤな奴

 他人のページ*1で、デッサンがアレなラフを見かける。人間は軟体動物ではないので、ホネが構造上不可能な曲がり方をしていると、不自然に感じる人間もいる。まあ、いたる氏のこともあるし、別に大きな問題じゃないのかもしれない。通りすがってコメントしようかと一瞬思った自分はイヤな奴。
 ケロQのエライ人風にいえば、デッサンとか解剖の勉強なんかせずに、肩から腕への繋がりとか、腰からふとももへの繋がりとか、複数パーツをまるごと覚えろ、というところなのだが。


追記:
キースへリングぐぐるイメージ)の場合、極めてシンボル的だけど、実はデッサンがしっかりしている、という記事を読んだことがある。Mac雑誌だったかな。Poserを使って、キースヘリング的なイラストを作り出すという企画。ラクガキの様な絵でもプロポーションや骨格がしっかりしてれば躍動感のある絵になるし、それは解剖学の知識かもしれないし、天性の観察眼かもしれないし、デッサンの積み重ねかもしれないし、好きな作家の模写かもしれないし、ト(以下略。
 もちろん、この辺は絵の一要素なので、解剖学を勉強すれば売れっ子作家、というわけではない。でも、体が表情を出すには、それなりの解剖学的根拠があるのではないか、という話。自分が見たのは、しゃがんだ絵だけど、立像の上半身に、曲がった足、とってつけたような腕が付いていた。もし、これが低調な精神を表すなら、腕で膝を抱え、そうすると背は曲がり、肩は前を向く。それにつれて首も前に向くだろう。逆に、前向きな精神状態なら、背を張り、腕は後ろにつき、肩は後ろに移動して、首は反るだろう。こういう表現は、リアルなイラストでも、ヨダ絵でも変わらない筈だ。

 人体と解剖学だと、なんか難しい話になるか。えーと、バイクや自動車が止まるときに、フロントを沈ませるとか、銃を撃つとリコイルするとか、二輪車コーナリングでバンクするとか、巨大ロボや戦車が泥濘地で接地面が沈むとか、これは、物理学ともいえるし、ただ単なる漫符的問題といえるかもしれない。これは、リアルなイラストでも、ヨダ絵のような簡単な絵でも変わらない問題*2だろう。まあ、そういう、下位の問題はクリエーターにしてみればどうでもいいわけで、クリエーターさまにはオリジナリティーのおもむくままに創作して頂いて、我々はそれにツッコミを入れるのがエコシステムなのだろう。

http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/25535093.html

 
 ハンコ絵については、こういう話がある。一枚のイラストであれば、まあなんでもいいのだが、横長のPC画面で表情を出すには、あのくらいのデフォルメが最適だったと。ある程度目が大きくないと目の表情が出せないし、また、十分記号化されていないとやはり表情の変化がつけられない。あれは、立ち絵システムに最適化された画風なのだ。そこで得た物語の強度を援用して、二次作家は、彼らの画風で、一枚絵に最適化された彼らのCGを描くわけだ。素晴らしいエコシステム。もちろん、全てに当てはまるわけではない。


・絵がリアルイラストレーションである、カートゥーンカリカチュアである、とに関わらず、体が「表情」を見せている場合、解剖学的根拠があると思われる。
・「表情」のあるポーズを描くために、デッサンを学ぶということは一つの手段ではあるが、唯一の手段ではない。
・ONEなら茜、KANONなら舞、AIRだと美凪CLANNADなら智代、プリホリならラピスではになにだと結先生であけるりならリースがいいな。
・他の判子屋は守備範囲外なのでよくわからない。
・立ち絵に注力したゲーム、一枚絵に注力したゲームがあって、立ち絵が上手い絵師と、一枚絵が上手い絵師がいて、両方上手いのに越したことは無いけれど、どちらが支持されるかというと(以下略。





 

*1:アンテナにもブクマにも入っていないところ

*2:あえて、躍動感を描く表現を避けて脱力感を表現するのは別の話