『吸血鬼のおしごと 7 The Style of Mortals』 片瀬 優,鈴木 鈴 (メディアワークス)

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 シリーズの完結、という意味では期待に沿うものだが、物語としては好みではない。
 もともと、あまりヤル気を見せない、トボケた吸血鬼、月島亮史と、幽霊少女、雪村舞、そしてシスターのレレナが繰り広げる「コメディー」だと思っていたが、最後の最後で急展開。

 魎月は、戦いの本能(最終巻で説明)に倦んでいた。真田は、戦いへの欲求が満たされない自分の体を憎み、思うまま戦うために「血」を欲していた(最後に自分から自白(RR))。戦いに疲れ、暖かさを求めて人間の振りをして月島亮史として暮らしていた(が、それは最終場面まで自覚してはいなかった。もしくは、隠していた)。自分に暖かさを与えてくれた舞の死とともに、人生なんてどうでも良くなり、愛を求める上弦を切捨て、レレナをほっぽりだし、日光の暖かさの中で灰となる。「主人」という存在は、万能の力を持つが、太陽の暖かさから遠ざけられた、呪われた存在だったのだ(という言及は、これまでにまったくなし)。


2chスレ
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1080467932/l50
なんかでみられるように、後付感が強い。