の現代史

ササキバラ・ゴウ
講談社現代新書

ヲタ系の歴史を、「美少女」というキーワードで解読した本。
「萌え」の歴史を平易に解説している。

前半は、宮崎駿高橋留美子吾妻ひでお、と80年代の巨頭を例に挙げて萌えの成立を述べ、後半はその分析に入っている。

「内面性を持った少女キャラクターから恋愛感情を示してもらうことで、初めて自分の欲情は根拠を得て、そのような迂回を経てようやく欲情は成就できるのです(このようなことを前提とした上で、そのような迂回路を表面上省略するのが、80年代以降のポルノとしてのエロまんが表現です)。」

そして、やはり美少女の到達点として、エロゲに言及。

「ここにあるのは責任という娯楽です。責任を引き受けるということで、空虚な私に「主体」というリアリティーを体験させてくれる「あなた」という装置が、美少女ゲームです。」


生きる根拠として、国家も、未来も、巨人の星も「あした」も失った男性が、最後に得たものが「美少女の鑑賞」という結末。