紅白歌合戦:始まりの終わり・終わりの始まり

 公衆TV放送のプレゼンスは昭和以後一貫して低下傾向にある。一家そろってTVを観る『サザエさん』的生活が解体され分衆化し、さらにネットが浸透し同時間にTVに向かう生活習慣も変革されていった。NHKの地位も同様。そんななか、NHKの価値を維持し拡大するための尖兵が朝ドラ・大河・紅白であろう。大河も紅白も需要を掘り起こし、さらに他局から視聴を奪うためにジャニーズと結託してきたのがこれまでの紅白・今期の大河を見れば一目瞭然である。
 ほんで、今期の紅白。前期や前々期もあんまし見ていないのだが今期は歌のエフェクトが緩めな印象。有名なグループをビジュアルとして登場させ、歌は口パクで流して番組としての賑わいを重視するのではなく歌手をつれてきて歌わせるという原点に戻…ってはいないにしても原点を志向してる印象。そんな番組作りの中でベテラン勢やAdoさんらの歌の上手さが光っていた。ポケビ・ブラビは… 別枠で。「白い雲のように」をフミヤと有吉が歌ったのも別枠で… 
 そんなわけで、『NHKの、TVの衰退はワイらが食い止める!そのためならジャニーズに魂を売ったってええ』というこれまでの紅白から訣別し『あるものでやろう、できることで盛り上げよう』って路線に変わったのかなという印象がある。BBCに端を発したスキャンダルで突然の路線変更を余儀なくされた結果かもしれないけどさ。