世界史とつなげて学ぶ 中国全史

なんとなく、価値は農業で、工業で、労働で発生するものというドグマを持っている。
商業での付加価値なんていうのは独占資本の言い訳。社会主義計画経済を完遂すれば搾取なく農産物を工業生産物を農民や労働者に分配できる。
五か年計画を遂行せよ。立て万国の労働者!


とか思ってみるものの、シルクロードの時代から商業で都市国家は栄えていた。この本によると、「文明」それ自体が農業民と遊牧民の境界にある邑で発展したものだという。農業民だけ、遊牧民だけのコミュニティでは「記憶」だけがあればよく、他のコミュニティとの交易の調整のために「記録」が必要となり文字が産まれたと。原始共産制→古代奴隷制封建社会→資本主義社会→共産主義社会 というマルクスの発達五段階説は好きなのだが(信奉しているわけではない)、異なるコミュニティと接触した段階からマーケットというものは存在したんだなと。

宋銭

 唐宋変革論っていうのがあるらしい。内容はともかく、宋では宋銭という貨幣が大量に鋳造されたそうだ。一枚10円~20円の価値だったらしい。なろう!の小説を読んでると、パンを一個買うのに銅貨とか青銅貨が10枚必要な作品もあり、「そんなに貨幣鋳造安いんか」と思っていたが、安い時代もあるのね… なお、鉄貨はもっと安かった模様。