辺境で警備

 まあ、なんていうか俺が辺境勤務の騎士様だとしよう。
 ドラゴンを倒したり、魔王に立ち向かったり、華々しくトーナメントで優勝したり、はたまた王宮で浮き名を流したり、そういうのではなくて、柵を修理したり、害獣を追い払ったり、監査の為に書類を整えるとかそういうのが仕事である。

 
 そこに、なぜかやってきた若い騎士は、「ドラゴン退治か、魔王討伐か、敵国の間諜の追跡の場合に声を掛けてください。ネズミ退治や、庭の雑草の伐採や、逃げた牛の追跡は騎士の仕事ではありません」状態に。なんか本当に雑用ばかりになってる今日このごろ。マンガだと、たいがい、こう、そういうところに流されるのは、「実力はあるが、友人を庇って…」とか、「王国でも有数の強さなのだが、悪い貴族に対立して…」とか、そういう背景があったりするが、俺は実力も実績もコネも友人も無いので辺境で仕事をしている。そんなわけで、いや本当に雑用専門になってる。えっ?マンガのそういう騎士様は早朝と夜に剣の素振り千回だって?ダルいじゃん ←これだ