"日本とドイツ、どこで差がついたのか"

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150128/276834/

戦後、日本とドイツは両国とも、がれきの山から立ち上がりました。しかしよく考えてみると、どちらがより過酷な状況だったかと言われれば、筆者はドイツの方が大変だったと思います。

 日本は米国に占領されただけですが、ドイツは旧ソ連、米国、フランス、連合王国の4カ国に占領されました。さらに、東ドイツと西ドイツ、2つに分断されました。

 それを統一して東ドイツを吸収したのは20年ほど前ですが、巨額の統一コストを負担しなければなりませんでした。がれきの山から再出発したのは同じだったけれど、ドイツの方がはるかに状況が厳しかったのです。

 それにもかかわらず、ドイツの経済は近年絶好調ですし、ユーロという重荷を抱えてはいますが、2015年度の予算は何と財政黒字です。ドイツを旅してみても、日本と比べて貧しい感じは全くありません。先進国として復活し、日本と同じような豊かさを享受しています。

 日本とドイツの米ドル換算でみた名目GDP国内総生産)は3位と4位で、(計算方法によりインドが間に入るかどうかという問題はあります)日本とドイツのGDPの比率は大体人口に比例しています。ドイツに比べれば、人口は日本の方が多く、面積も日本の方が大きいのです。

 ところが、かたや財政黒字、かたや毎年170〜180兆円規模の国債を発行し続けている国です。同じがれきの山から出発したドイツが、財政黒字を達成し、しかもナチスドイツの時代にあれほど無茶なことをしたのに、近隣諸国との関係もきちんとしている。この2点だけでも、日本はドイツから学ぶところがたくさんあるのではないでしょうか。人間は傲慢になるとロクなことがありません。

日本が焼け跡の中から、やっと作り上げた「マイカー」、スバル360が1958年。ポルシェは1948年には356売ってる。フォルクスワーゲン・タイプ1は1938年で、78年まで本国では生産(1974年のゴルフで事実上モデルチェンジだが)した完成度の高いモデル。スタート地点が違うよな。