甲状腺癌調査

元ニュース?

2014/05/18 02:35 【共同通信

福島の子ども甲状腺がん50人に 県、放射線の影響調査

 福島県の全ての子どもを対象に東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べる甲状腺検査で、対象者の約8割の結果がまとまり、がんの診断が「確定」した人は県が今年2月に公表した数より17人増え50人に、「がんの疑い」とされた人が39人(前回は41人)に上ることが17日、関係者への取材で分かった。

 県内の震災当時18歳以下の約37万人を対象に県が実施。今年3月までに1巡目の検査が終わり、4月から2巡目が始まっている。

 チェルノブイリ原発事故では4〜5年後に子どもの甲状腺がん増加が確認された。このため県は、今後がんが増えるかどうかなど、放射線の影響を調べる。

他の「同様の」調査と比較した例

■福島での10万人あたりの甲状腺ガン数
10万人あたりの甲状腺ガン数(疑い含む) :24人

■他県(青森・山梨・長崎)での10万人あたりの甲状腺ガン数
対象者数 :4,365人
甲状腺がんもしくは甲状腺がん疑いと診断された者 :1人
10万人あたりの甲状腺ガン数(疑い含む) :22.9人

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17965
http://d.hatena.ne.jp/ryoko174/20140518/1400373076

とはいえ、10万人あたりのガン患者数を推定するための母集団は、あと十倍は欲しいな。


がん登録と比較した例(と、比較への批判)

 これに対し、岡山大の津田敏秀教授(疫学)は、国内のがん登録の結果から、10代後半〜20代前半の甲状腺がんの年間推計発生率は、「平均(1975〜08年)は100万人当たり5〜11人」と指摘。その上で「福島の子どもの甲状腺がんの発生は数倍〜数十倍高く、多発と言える。今後さらに増える可能性もあり、今のうちに対策をとるべきだ」と主張した。

 津田さんの指摘に対して、県立医大の大平哲也教授(疫学)らから、福島の検査と「がん登録」と比較をするのは、科学的に不適切などと批判が出た。がん登録で集計されるがんは主に、症状が出てから受診して見つかったものだが、福島の検査は、無症状の子どもを網羅的に調べており、より早期に多く見つかる傾向があるからだ。

http://apital.asahi.com/article/news/2013122100005.html

郡山市医師会理事で小児科医の太神和広医師は「県外の子どもに大規模な甲状腺の検査をして比較すべきだ。そうすれば1年以内に科学的な結論が出る」と訴えた。環境省は、長崎や青森の子どもの甲状腺検査を行ったが、対象は4500人だけで、これまで、がんは見つかっていない。

おまけ

---- 福島 青森山梨長崎
対象者 27万人くらい 4千人くらい
病変あり*1 1342 31
ガン/癌疑い 74 1


青森山梨長崎群で、100人に一人程度の「初期病変(という理解が正しいのかどうか不明だけど)」を検出しているので、「有病率の小さな疾患で(サンプル数が少ない場合に)は、偶然により過大な統計値が導き出されることがある」誤謬は避けられていると考えているのかしら


"PKA先生が語る低線量被曝と鼻血"

http://togetter.com/li/668519

さらに追加:無症候対象のガンスクリーニングの例

甲状腺がんの頻度については、限られた数ではあるが、無症状の子どもに甲状腺検査を実施した過去の例でも同じような頻度で見つかっていること(注)、
等があげられており、本報道で中心的に示された、小児甲状腺がんの潜伏期は最短でも4〜5年と言われていることのみを持って判断がなされているわけではありません。
(注)2,869人の高校生に甲状腺触診を行い、1人に甲状腺がんが見つかった事例、9,988人の大学生・大学院生に対し、触診による検査を行い、3人に甲状腺がんが見つかった事例(いずれも震災前に行われた調査です。)などが知られています。

http://www.env.go.jp/chemi/rhm/hodo_1403-1.html

追記"公立相馬総合病院 耳鼻咽喉科 長谷川 純先生資料.外来新患の鼻出血症の件数."

"震災前の2010年4月〜2014年3月までの推移(春先は花粉症もあり,やや多くなる傾向があるが震災を境に急増はしていない)"
https://twitter.com/hayano/status/468349805983330304/photo/1


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*1:俺翻訳