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100職種にワクチン優先接種 新型インフルで政府試案(asahi.com

「留保なき生の肯定」という言葉はこういう時にこそ使うべきだと思う。2000万ドースを用意できるのであれば1億2000万ドースを用意することは可能だと思うんだが。

http://d.hatena.ne.jp/welldefined/20080919/1221753326

 下に転載を示すが、副反応の無い物質は無い。さらに、「紛れ込み」の問題もある。タミフル、麻疹ワクチン。しかも、今回は安全性や有効性が長い年月で確認されたワクチンではない。製造技術面、安全面、効果面を考えて、接種して副作用がでても、効果がなく感染しても文句を言わないような人間からまず接種し、技術が確立された段階で広範囲の接種を検討する*1というのは、現段階では妥当だと思うのだけど。
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今回の報道

100職種にワクチン優先接種 新型インフルで政府試案

 新型インフルエンザの発生に備え、政府は18日、プレパンデミック(大流行前)ワクチンを優先的に接種させる職種の具体名を初めて公表した。医療従事者のほか、警察や自衛隊、電気やガスなど約100業・職種を提示。三つの類型(カテゴリー)で順位づけた。


 発生時に、感染拡大を防ぎ、社会基盤を最低限維持する目的で、政府試案を公表した。対象者は推計1千万〜1500万人で、本人の同意を得て接種する。現在、政府が備蓄する鳥インフル由来の同ワクチンは2千万人分で、1千万人分追加の方針がある。意見募集を経て年度内にも正式決定する。


 最も優先的に接種するカテゴリー1は、新型インフル患者に接触・治療する職種。今年の試験的な接種を踏まえて来年度にも接種を始め、効果が継続する期間をみながら定期的な接種を検討する。同2は国民の生命や安全、安心にかかわる、同3は国民の最低限の生活の維持にかかわる職種。同2と3は、試験接種の結果を踏まえ、発生前の接種を検討する。発生後は、同1〜3の順番で接種する。


 発生後には、新型インフル患者から採取したウイルス株でつくる、効き目が高いとみられる「パンデミックワクチン」が製造される。このワクチン接種については、優先職種の人たちの効果継続期間をみながら、小児や高齢者、病気の人、成人・若者らをどの順番で接種するか今後検討する。

http://www.asahi.com/national/update/0918/TKY200809180262.html

「紛れ込み」と副反応

仮にこのまま一般国民への事前接種が始まり、もしも「紛れ込み」や副作用が多発した場合には過剰反応が起こりうる。その結果、国民の中にワクチンに対する不信感が広がり、ワクチン事業そのものが停滞してしまう。こうした最悪のシナリオが臨時シンポジウムの開催を急がせたようだ。西村氏によると、「紛れ込み」とは、大規模接種に伴って生じたが、恐らくはワクチン接種とは無関係に偶発的に起きた死亡例のことを指す。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/200808/507456.html

「日本の現状は、米国の過ちを繰り返しているようにみえる」?

 米国の教訓とは、1976年2月に、米国ニュージャージー州の陸軍訓練基地フォート・ディックスで、兵士の間で発生した豚型インフルエンザの集団発生のこと。中略*218歳という若い兵士が死亡したこともあって、緊急対策の必要性を訴える声が主流となり、当時のフォード大統領は緊急予防接種計画を宣言。総ての米国国民に豚型インフルエンザワクチンの予防接種を受ける機会を提供し、それに必要なワクチンを早急に製造するとの対策を打ち出したのだ。しかし、結局は患者12人、死亡1人という集団発生で終わり大流行には至らなかった。


 だが、それだけでは済まなかった。


 1976年10月から予防接種キャンペーンが開始されたが、「紛れ込み」と呼ばれる接種者の死亡例があちこちで起き、それを行政が正しく説明できないうちにマスコミが報道したことが予防接種に対する批判を呼び起こした。加えて、同年11月末ぐらいから接種者の間でギラン・バレー症候群の発生が報告され始めた。このため緊急調査が行われることになり、その結果、接種者からのギラン・バレー症候群の発生は非接種者の約7倍であることが判明。結局、同年12月には、フォード大統領が主導した接種キャンペーンは中止になった。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/200808/507456.html

政府の方針(4月)

これは前日15日、舛添要一厚生労働大臣の記者会見などで明らかになったもので、【議事録】によれば

・プレパンデミックワクチンの備蓄追加
 現在ベトナムインドネシアで発生した鳥インフルエンザなどを原株にしたプレパンデミックワクチン(※事前対応としてパンデミック(大量感染)が起きる前に発生している感染事例・ウイルスから対抗薬を作り、事前事例のウイルスの派生型に対してあらかじめ対応できるようにしておくワクチン)合わせて1000万人分の現液に加え、中国発のパンデミックも想定し中国株のものを1000万人備蓄している。合計2000万人分の原液を保有しているが、これを増やす方針(後述の臨床研究の成果を見極めて)。
・プレパンデミックワクチンの臨床研究実施
 ワクチンを製剤化し、税関や検疫所、入管職員、感染症指定医療機関職員6000人を対象に事前接種を行い、安全性や有効性を研究する。良好な確認が得られれば、警察官、医療従事者やインフラ維持者など1000万人への事前接種を検討する(実現すれば世界初)。
パンデミックワクチンの製造体制の期間短縮
 現行は鶏の卵から製造しているため、国民全員分を作るには1年半かかる。これを細胞培養技術の確立を行い、半年程度に短縮することを目指す。

などを骨子としている。

http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/04/6000.html

予算面

国民全員分のワクチンを用意すればよい、という考え方もあるが、予算の都合上それは難しい。1000万人分のワクチンの買い取り額は43億円、製造開始の設備投資には120億円かかる。単純計算で全国民分となれば43億円×12で516億円が初年度予算として必要とされ、これが有効期限が切れる3年おきに発生することになる(実際には製造期を分散するため計算はもう少し複雑になる)。それほどの予算は無い、というのが実情。

http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/04/6000.html

*1:http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/200808/507456.html 票1

*2:このウイルスはH1N1型で、1918年に大流行し世界中で4000万人以上という死者を出したスペイン・インフルエンザウイルスと抗原性が類似していたため、スペイン・インフルエンザの再来になるのではと危惧された。