バカの壁の中と外

普通の人間は、自分の意図(欲求)を最大とするために活動する。
そういう意味で、バカな人間はいない。ただ、バカに見える人間はいる。


 自分の目的を達成するために、人間は、彼の知る原理を利用する。
 水を暖め湯にする為に、ガスコンロを、ポットを、電子レンジを利用する。
 もし、冷凍庫に水を入れる人がいたら、彼はバカだろうか。
 単に、複雑怪奇な機械があり、悪戯好きな友人に、
「あれに水をセットすると沸くんだぜ」
 とからかわれたのかもしれない。
 電気ポットに水を入れ、沸騰を待つ子供はバカだろうか。
 コンセントが抜けているのに。


 このへん、プリミティブな世界原理があり、たいがいの人間は体感している。熱伝導の法則ね。


 これが、こういう問題はどうだろう。 

ページビューを稼ぐためにはブックマーカーに受ける記事を書くことが一番の近道だ、ということを表す。

 ◇ ◇ ◇

 さて、ここまで読んでいただいて、あなたはどう感じただろうか?「そうか、やはりページビューを稼ぐにはブックマーカーに受ける記事を書くに限る!」と頭から信じてしまった人は、少し気をつけた方が良いと思う。まさにこれが「統計のワナ」だからである。

http://satoshi.blogs.com/life/2008/04/post-4.html

 台風が吹くとリンゴが落ちる。
 それを見て、「リンゴを落せば台風が吹く」と考える人はどれだけいるのだろう。
 統計の向こうには、それに似た錯誤が山積しているような気がする。


 知能が低いのではなく、情報不足や錯誤、そんなものの連鎖、蓄積が、一見、バカの壁を築いているような気もする。


 リンゴを落としても台風は吹かない。
 ストーブを出しても冬は来ない。
 消防自動車のサイレンは火災を起こさない。
 でも、武装放棄は平和をもたらすよ。たぶん。うん。