また貧乏人の条件にはもう一つある。金を儲けても、その使い道があるか、ということ。カンボジアにアメリカが農業技術援助をしたら、収量がすぐに倍になってみんな喜んだそうな。これで余分の作物を市場で売って稼げば、みんな豊かになる、というのが援助したアメリカの計算だった。ところが数年して戻ってみると、村はちっとも豊かになっていなかった。調べてみると、収量が倍になったので、農民たちは畑を半分だけ耕してそれ以上は仕事をしなかった(シアヌークの自伝, My War, pp. 123-4)。理由は二つあって、一つは金を得ても特にほしいものがなかったということ。貧乏な村に売れない商品を持ってくる物好きな商人はいなかったので、それまでその農民たちは、お金で何が買えるのかまったく知らなかった。だから稼ぐインセンティブがない。またもう一つ、カンボジアはアジア的専政(© ウィットフォーゲル)国家にありがちなこととして、ちょっとでも余裕ができると役人等々がたかりにくるので、結局手元に残らない。目をつけられないためには余計なものを作らないほうがいいのだ。これは李氏朝鮮でイザベラ・バードが目撃した状況でもある(バード『朝鮮紀行』講談社学術文庫) 。
http://cruel.org/economist/economistpoor.html
こんな話を読んだことがある。
カンボジアの人は、一日分稼ぐと仕事を終わりにする。
ベトナム人は日が落ちるまで働く。
すると、カンボジア人とベトナム人の間に所得格差ができて、対立の原因になった、と。
国民性の問題と思ったが、社会事情も関係していたのね。っていうか、これが元ネタだったのかな。
こんな話も読んだことがある。真偽不明というか、ジョークだろう。
アメリカのスラム?に、ベトナムからボートピープルがやってきた。
彼らは店を始め、朝から夕方まで働き、繁盛した。
その後、韓国人がやってきた。彼らは、日が落ちて店を閉めると、電燈の下で、リンゴを磨きはじめた。
キレイなリンゴはよく売れ、彼らの店は繁盛し、対立の原因になったとか。
中国人は、そういう人たちに金を貸し付けて利息を取るので、所得格差ができて、対立の原因になる。
西洋人は、そういう人たちを武力で征圧して、関税とか毟るので対立の(略