ロケットファンタジー、ゲームフィクション

 タイトルを書いた時点で飽きたけど、ちょっと続ける。


 アポロの頃、おそらくスペースシャトルが墜落する頃までは、ロケットは我々の生活線上にあるものだった。獲得可能な未来。だけど、ポストモダンな現代では、ロケットは未来の象徴ではなくて、失われた過去の延長線上の夢となっている。過去の、そして現代の一部の空想科学小説*1では宇宙船が建造され、実用になっている。しかし、ロケットファンタジーでは、ロケットを飛ばすこと、そして、少数の人間を飛行させることが目的であり、実用とは程遠い。主人公たちは、実用へ(少なくとも直ぐには)繋がらない夢そのものを目指して、ロケットに取り組む。


 直接実用には繋がらない、という点をみるなら、スポーツや将棋などのゲーム、も範疇に入るかもしれない。ただ、現状としてリーグが結成され、プロ選手には多大な名誉と報酬が与えられるこれらは、生活と密接なつながりがある。


 ということで、オンラインゲームなど、ゲームを主題とした作品がある。ゲームをしていた心算が、実は宇宙戦争だった、という作品群もいくつかあるが、そうでないものもある。スラム・オンライン、あたりが代表か。(通常の意味での)現実と離れた場所での名誉を求める心性が、まあ趣深い。


 祭礼なき郊外の通過儀礼問題、と読み替えればいいのかな。

*1:1000冊読んでいないのであまり言及できない