"書評 - 戦闘美少女の精神分析"

ハルヒにしてもちせにしてもシャナにしてもラフィールにしても、今や「男の子が好んで読むフィクション」の世界では、剣を振るうのはカレじゃなくてカノジョの仕事なのだ。

なぜ、フィクションの世界なのに、読者たちは♂の主人公に直接暴力(的妄想)を託すのではなく、そのカノジョたちに暴力を託すようになったのか?
現実世界における男子による暴力の封殺が、ほぼ完成の域にまで達したからではないか。

　現代学園異能の構造、男性向け男性排除型萌え作品、TS、なんかを考えると面白い。
　男装して戦う「リボンの騎士」「ベルばら」と、女性化して戦う「けんぷファー」女装して戦う「おと×まほ」の比較とか。

　王道は、主人公＝勇者、ヒロイン＝魔法使い、だと思うのだけど、ヒロイン＝戦士、主人公＝魔法使い、みたいな配役が増えているのかな。ヒロイン＝戦士、主人公＝戯言使い、みたいなのとか。
　
　

　キャラクターのJobを、「前衛」「後衛」「お姫さま」と分類すると、マトリクスができておもしろい。古典的なヒロインは、戦闘に参加しない、お姫さまクラスだったけど、いまは、主人公の方が、「お姫さま」待遇だったりする。

		主人公（男性キャラ）
		前衛	後衛	「お姫様」
ヒロイン	前衛	レギオス1・９Ｓ・空鐘 2	円環少女・アリソン（リリトレ）・ドラグネットミラージュ・レジンキャストミルク・黄昏色の詠使い・殺×愛・風のスティグマ・伝勇伝	シャナ・護くん・なつき☆フルスイング! ・樹海人魚・断章のグリム・十三番目のアリス GOSICK・グリモアリス・かのこん・神様のおきにいり・ポリ赤・電波・スプライト・まぶらほ・アスラクライン・あそびにいくヨ！
	後衛	ムシウタ・ゼロの使い魔
	「お姫様」	BBB・フルメタ・禁書*3・上等。・紅・ポリ黒

*1:ヒロインが誰かによる。ニーナは前衛、フェリは後衛

*2:ヒロインの片方が前衛、片方はお姫さま

*3:ヒロインが誰かによる。ビリビリは前衛、禁書はお姫さま