"部品は互換性がある事が前提"

http://blogpal.seesaa.net/article/31425147.html
おもうところは無いのでTBしない。


 さて、部品が壊れたら、同じ部品を買ってくれば直る。ネジを買ってくればネジ穴に嵌まる、というのは現代的な出来事で、南北戦争以前、銃の部品は一丁一丁組み上げられた、芸術作品のようなもので、他の銃の部品を自分の銃に流用する、なんていうことは出来なかった。

http://www.rikkyo.ne.jp/univ/nakaj/nakajima/bh0403.htm

 騎士や武士は重装備や馬をあつかうために熟練を必要として世襲階級と封建制をうみだしたが、小銃を使いこなすには数日でよい。騎士や武士は現代の技術革新によって用済みになる技術者やサラリーマンと同じように技術によって滅んでいったのである。騎士と歩兵が逆転したのはクレシーの戦い(1346年)からである。「マスケット銃が歩兵を生み、歩兵が民主主義を生んだ」ということである。

http://www.interq.or.jp/leo/ues/home/c-00102.htm

1)銃器・兵器工場の事例
ハーパーズ・フェリー兵器廠 …… 1809年から内部請負制を導入(出発点)
ジョン・ホール・ライフル工場 …… 南北戦争前に、内部請負制の下で多数の専用工作機械を使用(一応の到達点)
2)シンガー社の事例
当初は手工的方法で生産、1863〜73年に専用工作機械を段階的に導入、1880年にはほぼ兵器廠のレベルに到達
内部請負制の導入(1863)→ 廃止(1883)…… 専用工作機械による互換性部品方式導入への試行錯誤の時期に相当

 100年経っても、そういう芸術的な銃で戦争をしていた国もあったらしい。部品の互換も効かなければ、弾丸の互換も効かない。


 現物あわせでなんか作るのと違って、みんなで標準化をやるためには、図面の書き方、読み方、測定機器、公差、サンプリング、そういう概念とか資源がないといけない。フォードは、単品種大量生産で世界を変えたけど、GM(の前身)の多数のラインナップに敗北し、イタリアなんかの高級自動車屋は、プレスしたフェンダーを叩いて車体にあわせ、日本はプレス機に嵌まる程度のデザインにした。


 要するに*1、現場にしてみれば、生産設備や、生産管理、社会制度の改革まで必要な施策を取ることは難しく、ユーザーのニーズにこたえました、と言って、ボタンを一個増やし、メニューを一段階深くする方がずっとラクなのだ。温泉旅館が建て替えより増築を選ぶように。で、増築増築の結果が、今のケイタイで、今の家電で、今の○○*2だ。専用機械による生産革命が、工業標準化というシステムの改善を必要としたように、PC機能の専用化も、システムの側の整備を伴う必要があるだろう。


 それができるのはJobsとゲイツで、あと任天堂。「できた」のが

*1:ちっとも要していない

*2:好きなのをどうぞ