平原と街道と町のはなし

http://d.hatena.ne.jp/crow_henmi/20060525#1148518326

ライトノベルを「挿絵があって、独特の技法が使われていて、独特の文化がある」ものとして捉えるのは、克服されるべき問題意識であるような気がしたのですが。

 創作平原のこのへんに、文芸地方があって古くから栄えていました。また、あのへんはイラストと呼ばれる地方があって近世になって栄えてきました。この、二つの地方を繋ぐ道は次第に整備されてきて、いまでは立派な街道です*1、その真ん中らへんに、生まれたのがラノベ町です。
 この町は、文芸地方からも、イラスト地方からも交流があり、いろんな髪の色、いろんな目の色のひとたちが、この町に住んでいます。両方の風俗を取り入れた品物が生まれ、それは結構人気になっています。この町で一山あてて、文芸地方へ引っ越す人もいるし、文芸地方で育ち、一攫千金を目指してこの町で商売を始めようとする人もいて、活気に溢れています。
 この町には領主様はいません。商人たちの合議制で運営されているようです。なんとかじゃなければ住んじゃいけない、住むなら何々しろ、そういうお触れは出ていません。川の向こうの古代都市を教訓にしているのでしょうか。かつて栄華を誇ったその都市では、命令絶対規則は一杯、街に入る際には資格が必要だったとか。だんだん、旅人も減り、住民も減り、賑やかさも失われていったそうです。まあ、そんな歴史を考えているのではなくて、単に面倒なだけかもしれません。人が一杯いたほうが、品物が売れるし。
 
 あ、そうそう。この町には、城壁がありません。柵があるところもあるし、自然の境界が境(RR?)となっている場所もあります。町の発展につれて、繁華街は南に移ってきているようだし、城壁をつくってしまうと不便ですね。繁華街があって、旧市街があって、新市街があって、原っぱがあって、それでいいんじゃないかと。高い城壁を建てて、ここはホンカ区、こちらは新ホンカ区、おまえはこっちへ入るな、いやお前があっちへいけ、と、どんどん城壁を建てては新市街をつくっては新しい住人を呼んでは古い住人と中略後略。

*1:高い山が見えるので富士見街道と呼ばれるとか呼ばれないとか