"差別は数学"

http://d.hatena.ne.jp/kechack/20060220/p2

後者の差別は、差別意識の露呈というよりリスク回避の一種である。最近、保険の新商品で非喫煙者の料率を安くしたり通勤に車を使わない人の自動車保険を安くするといったリスク分散型商品が定着しているが、それと同じ行動である。

 戦後世代の人間だって、リスク分散行為はよくやる。例えばマンションを買うときに一番重視されるのが地域の治安や教育環境である。東京などでは都営住宅と同じ学区域にマンションを建てると売れないというのは業界の常識である。

 人間のリスク分散行為と保険のリスク分散商品の差は前者が先入観というパラメータ値なのに対し、後者が高等数学を用いて算出されたものである点にあるのだが、かといって倫理上、低所得者や外国人や同和地区出身者といったカテゴリーで犯罪発生率を算出すること自体問題がある。問題があるので放置すれば、人々のリスク回避のための先入観は行き続ける。そして治安が悪化するほど、人々が先入観に基づくリスク回避行動を行うことを「人道に反すが生存のための必要悪の手段」として黙認せざるを得なくなってくるのである。

私は、カテゴリーごとの犯罪発生率を算出するべきだと思う。さもないと、一人の----人が犯罪を犯した→----人は犯罪を犯すリスクが高い、そういう結果になりやすいのではないか。