青春時計

 こちらは宇宙人もエルフも出てこないラノベ
 ちょっぴり構成に工夫があって面白い。



 鋸も鍋も出てこないのは残念。


 追記。
 3人の視点から3人の作家が、一つの物語を書くというちょっと野心的な企画で、新人作家が他の二人に劣らない筆力を見せたのが見所のひとつ。男二人に女一人、ということで修羅場とか性別反転とか時計塔がタイムマシンだったり時計塔の地下に宇宙船が埋まっていたりという展開を期待したけれど、そういうのもなかった。こう、なんていうか、カタルシスが少なめなのは、時計の修理に掛けるプロセスが少なめだったからだろうか。
 時計の修理、歯車とか振り子とか、パーツが全て完動品ならいいし、スペアが手に入ればいいけれど、そうでなければフライス盤なんかでスクラッチだ。設計図があればいいけれど、そうでなければ計測から?サイクロイド書くの?まあ、大きな建物時計のメーカーがあって、規格品を設置したのであれば、メーカーに部品を発注、となるのかな。
(あ、サイズがわかれば歯車はWebで手に入るようですhttp://www.monotaro.com/c/029/097/



 鍵っ子な私であれば、えー、最後の最後まで修理して、どうしても動かなくて、それは重要部品が壊れていて、実はそのスペアを誰かが思い出の品として持っていて、セピア色の回想シーンが始まって、とすぐ考えてしまうのだ。
 共通ルートから、個別ルートになって、最後は時間の無くなった彼らが突貫工事で矛盾を棚上げして一心不乱に働いて、時計の問題の解決に集中し、最後に時計が動きだし、ヒロインが矛盾を飛び越える。そして個別エンドへ。