"ゲーム芸術説慎重論"

http://www2.ocn.ne.jp/~rulue/art.htm

絵画のオークションで、絵画の作者が後から分かって値が高騰したという例がある。作者名が分かる前と後で、その絵じたいにどんな違いが生まれたというのか。これが、芸術の正体である。芸術はもはや作品じたいのことではなく、作品と鑑賞者の関係の問題でもなく、そこに付随する批評とそれを保証する制度のことなのである。

 芸術作品という「通貨」(トークンとか、そんな言葉でも可)は、塩の通貨のように舐めて塩辛いのもあれば、金貨のようにそれ自体希少価値を持つのもあれば、紙幣のように中央銀行の保証があるのもあれば、誰かが裏書した手形のように、そのサイン主によって価値が与えられるものもある。
 ポップアートな人、古くはシュールレアリスト、もっと古くは千利休らによってそのことは自明だろう。利休がいいねといったから今日は茶の湯の茶碗記念日。