魔法はあめいろ

 ひよこルートへ入っている。
 前回プレイした、環ルートでは、魔法それ自体は物語の牽引役を担わず(重要な役割は果たしているけど)、物語自体の弱さを感じた。
 で、今回はひよこルート。このゲーム、三人娘の衒学的な話、海栗の話など、ちょっとした話を発展させて、会話が進んでいる。とりとめのないことを真剣に話している姿が非常に興味深い。鍵系のシナリオだと、それは、好物や口癖で始まり、ツッコミとボケで終始する。無意識的にボケるヒロインを、主人公がツッコみ、自我の殻で防護された人格同士が、ボケとツッコミで交流を図る。で、一定以上の好感度が上がる=内面の交流が図られると、独自ルートへ突入する。基本的には、ヒロインのボケは天然ということにされている。
 このゲームの三人娘は、ちょっとした話題を真剣に捉えて会話を続けている。どこかしらに孤独を抱えた内面を持つ人間が、お互いに分かり合えない、融合できない何かを抱えつつ、内面を交流させて孤独から解放されるために、衒学的な会話を続ける様子がイタくて心地よい。