不可逆的変化、可逆的変化

たけくまメモの管理人が、帯状疱疹にかかったらしい。
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/07/post_e4e1.html

まあ素人判断で悶々としているのも危険なので、本日は早めに医者に行ってみることにします。

帯状疱疹だった場合、絶対安静が必要みたいですが、困ったことに今週はまだ忙しく、明日なんか取材(受けるんじゃなく、するほう)が2つも入っているんですよ。

 コメントでは、医者へ行けの大合唱であったが、中には

いや、だけど地力でなおる人もいます。かくいう私がそうで、仕事の関係上医者に行けなくて我慢していたら1、2週間で治りました。

 というコメントも。



帯状疱疹後神経痛
http://www.bl.mmtr.or.jp/~shinjou/taijo2.htm

帯状疱疹は、一般的には皮膚症状とともに強い痛みを伴う疾患で、
数週間で治癒する予後は良好な疾患です。しかし、一部の人には
いつまでも痛みが消えずに、初めとは違った性状の痛みへ変化し
ていく帯状疱疹後神経痛へ移行します。この帯状疱疹後神経痛
移行する要因としては、高齢者・痛みが激しい・皮疹が重症・知覚
障害が強い・免疫力が低下していることなどがあげられます。

 要は、風邪や下痢のように、治療が遅れても治癒が遅れるだけの病気ではなくて、神経の変性が発生すると、それは不可逆的変化であり、帯状疱疹が"帯状疱疹後神経痛"してしまうと手遅れなので、皆病院に行けの大合唱なわけ。このコメント主は、自分自身は抵抗力が強いことを自慢した、そこまで邪推しなくても、たいがいの人は一般的なコースを辿ると主張しているのだが、では、サイト管理人が帯状疱疹後神経痛に移行して、サイトでイタイイタイとエントリーを書いたらなんてコメントするのか。残念でしたね、か。それとも

ただ、発疹がみるみる広がっている場合は本当に危険なんですぐにでも行った方がいいです。

と書いておいたので免責される、とコメントするのか。

丸イと脱オタ

http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20050710/p1
 資格もないのに、歴史を書きますよ。

・デザイナーズ以前
 ジーンズが格好いい時代。POPEYEや平凡パンチを眺めながら、西海岸ファッションを参照していたらしい。もしくはメンクラでアイビー??アメリカブランドの直輸入がカコイイ時代。ビームスはあったらしい。地方は西友か紳士服屋。地方資本のデパート。日本人のデザイナーも成功していたが、三宅氏や高田氏なんかは、あんまし若者向けではなかったようだ。PARCOもこのへんから。

・デザイナーズブランド・キャラクターブランド
 川久保氏やそのパ(中略)の人の成功で、黒服が流行。夜霧のハウス(中略)。子供服と大人服の中間な、若者服マーケットの出現。服飾に投資するという文化が発生。PERSON'sやK-FACTORYといったキャラクターブランドを、夕ニャンで露出したために、DCブランドブーム。それを当て込んで、丸井は新宿とか渋谷の店舗を改装し、クレジットというか月賦というかのシステムを作り、Tシャツとかスタジャンにロゴを貼り込んだ商品を高値で売りつける商売を始めた。PARCOには、譜代なPARCO―――店(池袋、渋谷)と、外様な―――PARCO(千葉とか)、があって、後者は丸井と大差ない客層を狙っている。

 また、この頃から紳士服チェーンの路面店が盛んになり、これで
 +ヨーカドーなんかのスーパー、紳士服チェーン
 +丸井に代表されるキャラクターブランド
 +PARCOに代表されるデザイナー、海外ブランド
 というヒエラルキーができた。

・DCブームの崩壊
 まあ、バブルは弾けるもので、このへんで猫も杓子も黒服の時代は終わり、アメカジのようなものに流行は移っていく。で、ストリートへ。で、このへん、文化の変遷も伴っていると思われる。

 +DC以前 : アメリカ西海岸な音楽、ライフスタイル、アイビーリーグ
 +DC   : MTV、ユーロなロック、テクノ、環境音楽、カルチャーやサブカル
 +DC以後 : アメリカのあのへんのストリートな黒っぽい音楽、ダンス、シルバーアクセ

・丸井の地位
 結局、適当な服にロゴくっつけて高値で売り抜けた時代の戦犯が丸井であり、DCバブル時はプラスに働いた丸井ブランドが、今ではちょっとマイナスイメージに働いているのが現状だろう。別に、丸井で買おうとどこで買おうと、同じブランドなら同じ服なんだけど。小中高とお仕着せの服でなんとなく過ごした人が、あえて買う服の店舗として、丸井を選ぶ(と想定される)あたりが注目。丸井の商品は、渋谷から原宿のあたりの最先端の商品を一回翻訳して柔かくしてから出すイメージがあり、原典にあたらず、翻訳にあたるような風味?原曲を聴かず、日本語カバーを聴く、ような。また、たぶん、主流は原宿の裏の方(行ったことはあまりない)のストリート系で、あれは只単なる衣服ではなく、音楽から行動まで含めた、イケメン都市系DQN専用品なので、(元)ヲタにはキツイのだろう。

オルタナな無印
 イケメンDQN系な(ストリート)ファッションと、イトーヨーカドー(非)ファッションとの対立の、オルタな位置が無印で、ファッションであるけれどデコラティブではない、というもの。流行の斜め上を行きたいヒトには最適。ただ、アニエスBとかプラダとかサザビーとか、そういうところのディフュージョンみたいに見えるので、原典主義者などの通向けではない。最近は、コムサismなんかもあるか。

・結論にならない結論
 +イトーヨーカドー(非)ファッション
 という、ファッションリテラシーが少なめな人がとりうる選択肢として、簡単なものでは
 +丸井
 +無印
 +ユニクロ
 というものがあげられ、
 簡単でないものでは
 +原宿ストリート
 +セレクトショップ
 がある。
 
 丸井は、流行の最先端から一歩引いて(その分、安く、簡易に)地方在住者やファッションリテラシーが低めな人に配給しているイメージがあり、それが脱オタとの親和性が高く見えて、

しかも「丸井」って!「脱ヲタ」を象徴するかのようだ!

 という言葉になるのだろう。

結局

 猿は嘲笑されるが、パンツを履いてシャツを着ようとした猿はもっと笑われる。
 サザンクロスシティーに足を踏み入れた一般人はモヒカンの襲撃にあう。
 田舎者は笑われるが、上京した田舎者はもっと笑われる。
 ビギナーに特有の、特に先導者(師匠)を持たないビギナー特有の、過剰な自意識が嘲笑の対象となるのは寂しい話だ。

SR、雑感

 トラウマ美少女が、おずおずと手を差し伸べてくるところを、無神経に蹴り飛ばすサドゲー、って感じ。しかも、墜落寸前に彼女の手を掴んでも、痛そうな表情をみてゴメンと手を離す、そんな主人公。
 この物語では、ヒロイン達はアイデンティティーとかレゾンデートルとか、まあそんなものに危機を持っていて、それを解消する手段として音楽を選択している。それは主人公も同じ筈だが、特異な才能、そして設定上のマジックにより、その危機は顕在化しない。無意識か意識下かは分からないが、トラウマ美少女に特権的に手を差し伸べること、特権的な演奏能力を行使すること、そして音楽をなにかの手段ではなく、それ自体を目的とすることで、セカイと接続し(言い換えると純粋さを盾にして)、自我を確立している。
 確かに、特権的地位にいるヒッキーなんて、変な下心がなければ接近しないのが普通かな。で、特権的地位を維持したまま、トラウマ少女を許してやると、モヤモヤ感が残るENDに。真実を知り、相手と対等な関係を再構築すると、ハピーエンド。見守ってくれた、ちっちゃなママ〜の所に帰っていくと、これまた奇跡なエンド。
 物語の構造が一番の驚きだったけど、キャラクターとしては主人公の無神経なまでの純粋さにいたたまれなくなった(別の解釈もできるけど)ファル様最高。

体験と、物理的実在

htt://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20050711#p01

クーラーで25度に冷えた部屋と、28度の森林の中で心地良い風にあたることを、温度計の目盛だけで比較することはできません。この場合、まず「クーラーで冷えた部屋の方が涼しい」と言いきることが科学的方法論です。これに対して科学的方法論は異議を認めないわけではないのですが、文句を言うなら、「湿度」とか「マイナスイオン?」とかの別の物理的実在を持ち出さないと受けつけません。

・クーラーで冷えた部屋

・心地よい風
 を対置させることは、誘導にならないのか、というのが一つの疑問。
 また、
・涼しい
 という、主観的な形容詞を
・科学的
 という言葉にくっつけて話を進めることも、誘導ではないか。

・「クーラーで冷えた部屋の方が涼しい」と言いきることが科学的方法論
 なんていう、科学者がいたら、是非学会で発表して欲しい。頑張れ。科学的というなら、同じ条件で、目隠しをし、同じ風速に置いた同じ服装の被検者にアンケートを取って、マイナスイオンたっぷりの森林と、体育館の特設ブースの送風機と、どっちが涼しいか比較する必要がある。

・空調どころではない、都会のアスファルトをスーツにネクタイで歩き回って、やっと帰ってきたオフィスの25℃、それもクーラー特有のカビの臭いつき
 と、
・休暇の森林、ビール有り、の28℃。風が吹いてきた。
 を比較するのは温度(や湿度)という物理学的な問題ではない何か、だ。


それで、主観的体験、個人の内部で起こる「暑い」という体験については、学問の対象とならないのか、全く個人的なことでいかなる方法論も通用しないのか?
 根源的には、断絶はあるだろう。しかし、大抵の場合、話者の
・衣服
・風速
・運動強度
代謝と表面積
・自律神経機能
によって、大きく左右される。まずは物理学、次は社会学、医学人間工学最後に心理学、かな。その先には断絶があろう。でも、それで十分ではないカナ。


要するに
・25℃だって?それは、ふきだし口の下の温度計の温度で、この席の温度じゃねぇんだ
・25℃だって?それは、エアコンのリモコンのツマミの位置であって、この席の温度じゃねぇんだ。
・暑いだって?それはスーツ着てネクタイつけて外から帰ってくれば暑いだろうけれど、机に座っている俺は寒いんだ。長袖着ないと死んでしまう。
・(自律神経弱めなのでクーラーには弱いのさ)
という愚痴。

 物理的な測定(実在に非ず)と、主観的体験は、様々なシーケンスを経て接続されているけれど、それを単に直結と見る人も、逆に切断と見る人も、(自分に都合が悪いときには)嫌いだ。そう。なにがどうでなんでも、客が寒がっているときは寒いんだって。とにかくエアコンの設定を下げろ。エアコンのツマミとエアコンの温度調整と交流モーターとインバーターとエアコンの風向きと風量と体感温度と体の温度調節の話はいくらでもするから。

"群青の空に" 情報追加

http://www.light.gr.jp/light/main.htm
via
http://www.moonphase.cc/

「あの子は君の目の前にあるあの大きな楠の木になったの」
幼い頃、子猫の亡骸を埋めながらそう教えてくれた隣のお姉さんは、
三毛猫のような柄をした戦車に轢かれ今はその隣に眠っている。

9月発売予定、らしい。

近親婚のリスク

http://www.jica.go.jp/activities/report/kyakuin/pdf/200506_01_05.pdf
愛・蔵太さんのサイトより。

スウェーデンの研究者Jansonとヨルダン人の研究者Khouryが
1992年に行ったパイロット調査によると、国内の重度知的障害児の両親の68%が同族結婚をして
いた。これは国内平均の50%よりもずっと高い値である90。調査対象の子どもたちのうち21%は、
同様に知的障害を持つ兄弟姉妹を持っていた。これは明らかに遺伝的な知的障害の徴候である91。
2人の報告によると、ヨルダン国内では同族結婚総数は約半分で、全結婚の3分の1はいとこ同
士の近親結婚であった。ヨルダンのal-Khatibは近親結婚を禁止する法律を制定することを提言し
ている92。ヨルダンでは保健省が結婚前のカップルに健康テストを受けることを規定したが、現
在でもしばしば無視されている。

 前に記載した、近親婚でリスクの増大はそれほどではない、という内容は上記をもって訂正。でも、遺伝的多様性に欠ける集団内での同族結婚はリスクが高いが、雑種同士の子供同士の掛け合わせは、そんなにリスクが高くないのでは、と負け惜しみを書いておく。