ハルヒの憂鬱

涼宮ハルヒの憂鬱」という投稿作品

リアル寄りの「高校生活」というベタな*1世界と、虚構寄りな異世界人、宇宙人、超能力者というネタの*2世界が、絶妙に結合したのが「涼宮ハルヒの憂鬱」という投稿作品なわけだ。「自覚しないまま実現させる」というウルトラCな能力を設定することで、両者が奇妙な接続をすることになる*3
あ、「谷川流が世界的に革新的!」って言ってるんじゃないよ。「劇中劇を成立させようと、ドタバタするコメディ」は随分昔からあたかもしれないし。


あ、そろそろ疲れてきた。
「(作品内での)リアルなあざとさ」
を実装することが容易となった。ハルヒが望んだことだから。このへん、作品世界が最初から虚構寄りの「学校を出よう!!」と異なる点だな。

角川スニーカー文庫涼宮ハルヒの憂鬱」という書籍

イラストを、いとうのいぢが担当したのは大きかったかも。結果的にシャナ、ハルヒと、二期以上アニメが放映された作品のイラストを担当したことに。

涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメ

「アニメ内で歌って踊らせて、円盤を売るんや!」って企画なら、マクロスの頃にはあったわけで。
「キャラを売り込むには、歌って踊らせればええ」ってだけなら、アイドルの前の、映画の前の演劇時代からあったのだが…

ともあれ、精緻な踊りは人を惹き付けるってことを再発見したのがこのED。放映時にもアーケードではアイドル達が歌って踊っていたけれど*4
らき☆すたのop、けいおん、へと続く。

この流れは(いや、だから、ハルヒが流れを起こしたとは言ってないって)、ボカロ、グループアイドルモノ、リアル寄りではTikTokあたりに続いているのかもしれん。


その後

だいぶ端折ったが、好調なときには流れを加速していったそれぞれの要素が、一旦、不調になると足を引っ張り合う結果になった印象はある。
ラノベの流れ的には、リアルと虚構が入り混じったハルヒから、「虚構世界に召喚された」ゼロの魔、最初から虚構世界の禁書、なんかが主流になり、ほんで、「虚構を現実化したVRMMORPG内での物語」のSAOや、その変形とも言える異世界トラック転生モノが主流になってきてる。逆に、ストーリー派には、はがない、俺ガイルといった虚構要素の薄いものが人気となっていて、まあ、いろいろ憂鬱である(続刊が出ないのが)。

*1:現実界とか言っちゃいたい

*2:想像界とか言っちゃいたい

*3:位相をずらして接続している、と言いたい

*4: このへんも参照 http://d.hatena.ne.jp/REV/20181031/p1